モーンガータ (ページ17)

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「お前、携帯の電源切ってんじゃねぇよ。心配したんだからな。」

「痛い！ごめんって。充電切れちゃってさ。」

拓弥に会うなり、一つ蹴りを入れられる。割と痛い。

「…てか、髪の毛どうしたの？」

「あぁ、ちょっと色々。」

「なんだよ、それ。今回の禊？」

「…まぁ、そんなもん。」

ちょっと明るくしていた髪の毛を真っ黒に染め直した。色んな人に迷惑をかけた反省の意味も込めて。もう自分に嘘はつきたくないから。

『…おはよう。』

後ろから声をかけられて振り向いた。

「…え、Aちゃんまで…。」

「おはよう。」

長い髪を風になびかせて歩いていた彼女の髪の毛は肩ぐらいまで短くなっていて、思わず笑みがこぼれた。

「似合ってるじゃん、ショートも。」

『ありがとう。これで本当の自分になれた気がする。』

「え、何？ちょっと話についていけないんだけど。」

「良いんだよ、ついてこなくて。」

これは、二人だけの秘密。

お互いがお互いの道標になって、導いていけるように。

「A、行こう。」

『うん、海。』

お互いに手を握って、明るい太陽の道へと歩き始めた。

END