red ページ5
もう既に陽が沈んできた。校舎の西側はオレンジ色に光っている。
一人、教室で進路調査書と睨めっこしていた。
今日が締め切りだ。今日までに出さなければ提出するまで部活にだって参加できないため、今に至る。
『あ、祐基いた。まだ出してなかったの？』
「うん…。」
一緒に帰る約束をしていたので、部活を終えたAが教室へと戻ってきた。
『そんなに悩むこと？』
「…悩むよ。」
『祐基の夢はなに？』
「ダンサーになること。」
『そうじゃん。じゃあ、その夢が叶えられる学校に行けば？』
「いいの？それで。」
『ん？どういうこと？』
「…なんでもない。これ提出してくる。」
調査書に記入し、職員室にいる先生の元へと向かった。
『結局、どこにしたの？』
「…ダンスの専門学校。」
『じゃあ、卒業したらバラバラだね。』
中庭へと降りる階段を下りながら二人並んで歩く。笑顔で階段を降りていくAを見つめて立ち止まった。
二、三歩先を行ったAがこちらを振り向く。
『祐基？立ち止まってどうしたの？』
「Aは…。」
『ん？』
「Aは、寂しくないの？」
『え？』
「バラバラになって寂しくないの？」
『…そりゃあ、寂しいよ。』
Aは卒業したら、小さい頃からの夢を叶えに遠くの大学へと行く。俺がダンスの専門学校へ行くとなると遠距離になってしまう。
『もしかして、それで悩んでた？』
「…うん。」
先にいたAが階段を一歩ずつ上がり、戻ってくる。俺より一段上にあがって頭に手を伸ばしてきた。
頭を静かに優しく撫でてくる。
『私だって、祐基と離れたくないけど…でも、私は私のため。祐基は祐基のために夢を叶えるの。』
ふんわり笑って頭を撫でてくれるこの時間がたまらなく好きだった。
『それに、会えなくなるわけじゃないでしょ？』
撫でているAの手を掴んでそのままぎゅっと抱き締めた。
「…お互い夢叶えたら、一緒に住もう？」
『うん。じゃあ、絶対に夢叶えないとだね。』
夕陽に照らされ、二人の影が階段に伸びてゆく。
end
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mami100810(プロフ) - まさん» おぉ〜！ヤバい…めっちゃキュンキュンしちゃいました(照)もし、良ければ続編をリクエストしても大丈夫ですか？最終的にはカレカノになって欲しいです！ (2019年8月7日 1時) (
レス) id: 80e4a31d29 (このIDを非表示/違反報告)
ま(プロフ) - mami100810さん» リクエストありがとうございます。更新お待たせしました。要望通りになっているか分かりませんが、気に入って頂けると嬉しいです。 (2019年8月3日 0時) (レス) id: 36e2c90037 (このIDを非表示/違反報告)
mami100810(プロフ) - カイさんが転校生(無気力で気だるげな女の子)に恋をするお話が見てみたいです！ (2019年7月28日 1時) (レス) id: 80e4a31d29 (このIDを非表示/違反報告)
ま(プロフ) - mami100810さん» 更新お待たせしてしまってすみません。なんだか書いていてよく分からなくなってしまったのですが、気に入って頂けると嬉しいです。 (2019年3月31日 9時) (レス) id: 36e2c90037 (このIDを非表示/違反報告)
mami100810(プロフ) - まさん» 更新楽しみにしてます！ (2019年3月26日 23時) (レス) id: 80e4a31d29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ま | 作成日時：2018年11月2日 5時
