検索窓
今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:22,102 hit

ページ1

いつからだろう…



こんなに憂鬱だった雨の日が



こんなに待ち遠しくなったのは…






『また雨じゃん…。』






テレビから流れる天気予報を確認しなくても分かるぐらい窓を叩きつける雨の音に、もう嫌気がさしてきた。





秋の雨は長く続くから嫌いだ。





傘を持って戸を開けるとさらに憂鬱が増してくる。






「あ!おはよう、A!」





『おはよう、佑亮。』





タイミング良く隣の家の戸も開き、現れたのが福田佑亮





幼稚園からの腐れ縁。いわゆる幼馴染。





『朝から嫌になるね、雨…』





「ほんと、それに今日の英語って小テストあったよね…!?もう嫌だ〜」





『私は、まぁまぁ英語好きだし別にそこまでかなぁ。』





「そんなぁ〜」






笑いながら歩く通い慣れたこの道




道の途中にある公園を通りかかったとき




それが彼を見つけた初めての日だった。




東屋にぽつんと一人座り佇む彼を。





切なげに遠くを見つめる姿があまりにも美しくて思わず立ち止まってしまった。





「A?どうしたの?置いてくよ〜?」





『…あ、ごめん。』





先を歩く佑亮を追ってパタパタと駆け寄った。





次の日も、またその次の日も彼はそこにいた。





『ねぇ、佑亮。』




「ん?」




『あの人、昨日も一昨日もあそこにいたよね?』




「どこ?」




『あそこ。東屋のところ。あの制服、隣の高校のだと思うけど、同い年ぐらいの男の子。』




「そんな毎日いた…?」




『うん…』




昨日も一昨日も…今日も、雨。

2→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (38 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
145人がお気に入り
設定タグ:超特急 , タクヤ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2018年9月18日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。