Addiction to you (ページ9)

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2014年春

「A、今日からうちの練習生になったウォンロンだ」

私と同じくらいの背丈の男の子を連れてきた代表。
連れてこられた男の子は傾国美を感じるような綺麗な顔をしている。韓国人ではないだろう。

LW「は、はじめまして、ウォンロン・ラタナチャイです。
　 2000年生まれ、タイ人です。よろしくお願いします。」

名前を聞いて思い出した。SEVENTEEN TVに出ていた子だ。テレビに出る彼を見て同い年なのにすごいなぁって思っていた。だけどこの前脱退しちゃったんだよね。

どうして彼がここにいるんだろう…。

「ウォンロンとAは同い年だからね。仲良くしてほし
　い。ウォンロン、Aはここが出来たときからいる子
　だから分からないことがあったら何でも聞きなさい。」

それじゃあ、と練習室から出ていった代表。

お互いが無言というとにかく気まずい空間になる。

『その、私からも自己紹介しないとだよね。はじめまして、
　ミン・Aです。私も2000年生まれだから気軽に話
　してほしいな。』

LW「えっと、じゃあ、ひとつ質問してもいいかな…。その、
　ここには、Aさん以外の練習生はいないの？」

そう、今この練習室にいるのは私とウォンロンくんだけだ。

『えっとねぇ、この事務所まだできて1年くらいしか経って
　なくて、オーディションとかしてないんだ。それに代表も
　スカウトとかあんまりしてなくて…。ウォンロンくんがここ
　の2人目の練習生なの。』

そしたらウォンロンくん、目を真ん丸にして、

LW「じゃあAさんは1年間ひとりで練習してたの？」

『うん、そうだよ』

　

『その、私からも聞いていいかな。…ウォンロンくんって
　SEVENTEEN TV出てたよね？どうして辞めちゃったの？』

そう言った瞬間に下を向いてしまうウォンロンくん。
ヤバい…聞いたらいけないやつだったんだ。