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「……?よくわからないですけれど、アンリにお土産買ってきました。せっかくですから、私の部屋でゆっくりお話ししながら、お茶など楽しみましょう?」

天然たらし……の意味がイマイチわからなかったのだが、玄関先で立ち話をしている状況なので、彼女を私の部屋へと招き入れる。















「はい、これがアンリへのプレゼントです。」

「えっ、いいんですか……!?」

「勿論」

キラキラと目を輝かせ、受け取った包みをギュッと握り寄せた彼女。
こんなに喜んでくれるとは。



「嬉しいです!!今開けてもいいですか?」

どうぞ、と答えると嬉しそうに袋を開け始める。

……まるで妹が_____みたい。





現実に思考を戻すと、アンリが

「きゃ!素敵なヘアピン……!!メイド長、ありがとうございます!」

と言って早速髪につけていた。



「私も同じシリーズのヘアピン買ったのです。お揃いですね」

そう言って微笑むと、更に顔を輝かせる。
本当に、愛らしい。



「お嬢様やエレンにも買いたかったのですが、お嬢様はヘアピンをお使いになられませんし、エレンは好みがよく分からず。それにお嬢様と同様、使わないと思ったので買わなかったのですよ。
だから、アンリと私だけお揃いということになりますけど……」



エレン、というのはもう一人のメイド。

賢くて、何でもできるけれど、いつも何を考えているかがわからない、そんな子。
たまにクスリと笑うけれど、本当に笑っているのかもよくわからない子。


そして何より_____



















裏の世界の、私の相棒(パートナー)





「え、でもメイド長とお揃いなの嬉しいです!!私とメイド長だけお揃いって最高じゃないですか、私たちだけですよ!?他の誰よりもメイド長と仲良いってことじゃないですか!?」

「……」

ごめんなさい、アンリ。
びっくりして無言で返してしまった。

エレンから話を戻すが、たまにアンリは変になる。
プレゼントやらお菓子やらをあげると、「メイド長からもらっちゃった!!メイド長から!!」と、ものすごくはしゃぐのだ。




……メイド長強調しなくてもいいのでは?
と思うのは私だけでしょうか。









「……喜んでもらえてよかった。」

アンリがきゃっきゃっとはしゃぐのを見て、こちらまで微笑ましくなってくる。



















_____でも、そんな幸せな日常は、すぐに壊れてしまう。

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作者名:ゆーちゃん | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/d0f1281f531/  
作成日時:2023年3月24日 11時

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