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「……?よくわからないですけれど、アンリにお土産買ってきました。せっかくですから、私の部屋でゆっくりお話ししながら、お茶など楽しみましょう?」
天然たらし……の意味がイマイチわからなかったのだが、玄関先で立ち話をしている状況なので、彼女を私の部屋へと招き入れる。
*
「はい、これがアンリへのプレゼントです。」
「えっ、いいんですか……!?」
「勿論」
キラキラと目を輝かせ、受け取った包みをギュッと握り寄せた彼女。
こんなに喜んでくれるとは。
「嬉しいです!!今開けてもいいですか?」
どうぞ、と答えると嬉しそうに袋を開け始める。
……まるで妹が_____みたい。
現実に思考を戻すと、アンリが
「きゃ!素敵なヘアピン……!!メイド長、ありがとうございます!」
と言って早速髪につけていた。
「私も同じシリーズのヘアピン買ったのです。お揃いですね」
そう言って微笑むと、更に顔を輝かせる。
本当に、愛らしい。
「お嬢様やエレンにも買いたかったのですが、お嬢様はヘアピンをお使いになられませんし、エレンは好みがよく分からず。それにお嬢様と同様、使わないと思ったので買わなかったのですよ。
だから、アンリと私だけお揃いということになりますけど……」
エレン、というのはもう一人のメイド。
賢くて、何でもできるけれど、いつも何を考えているかがわからない、そんな子。
たまにクスリと笑うけれど、本当に笑っているのかもよくわからない子。
そして何より_____
裏の世界の、私の
「え、でもメイド長とお揃いなの嬉しいです!!私とメイド長だけお揃いって最高じゃないですか、私たちだけですよ!?他の誰よりもメイド長と仲良いってことじゃないですか!?」
「……」
ごめんなさい、アンリ。
びっくりして無言で返してしまった。
エレンから話を戻すが、たまにアンリは変になる。
プレゼントやらお菓子やらをあげると、「メイド長からもらっちゃった!!メイド長から!!」と、ものすごくはしゃぐのだ。
……メイド長強調しなくてもいいのでは?
と思うのは私だけでしょうか。
「……喜んでもらえてよかった。」
アンリがきゃっきゃっとはしゃぐのを見て、こちらまで微笑ましくなってくる。
_____でも、そんな幸せな日常は、すぐに壊れてしまう。
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作者名:ゆーちゃん | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/d0f1281f531/
作成日時:2023年3月24日 11時