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私の課の課長が乾杯の音頭を取り
親睦会がスタートした。
周りにはまだ顔も知らない、名前も知らないような人たちがたくさん居る
正直あまり興味はないからそれなりに話に参加して一次会で帰ろう、と思っていた。
『立花さんは最近の仕事、慣れて来た?』
突然隣に腰掛けてきた人は見た事ない顔で
なぜ私の名前を知っているのだろう、と思いながらも上司なのは分かっていたから愛想良く返答した。
「はい、少しずつですけど。
先輩方が沢山教えて下さるのでそれを的確に素早く飲み込めるように毎日頑張ってるつもりです」
『そうか、いいね。向上心があって』
そう言いながら手元にあったビールを口付けながら
微笑んでいた。
『あ、俺営業1課の深澤辰哉っていいます。
歳は25歳。高卒でここ入ったから8年目かな。』
「私も自己紹介出来てなかったですよね。
営業2課の立花Aです。
歳は18歳で1年目です。」
うわ、若いなあなんて言いながらまたお酒を口に運んでさっきよりふわっとした笑顔で私を見ている。
「あの、私が自己紹介する前から私の苗字知ってましたよね?それって、」
『ああ、そうそう。向井康二って知ってるよね?』
「康二くん、はい知ってます。実家近くて幼馴染です。歳は4つ上ですけど。」
『康二がさ俺の可愛い妹がそこの会社に就職決まったから可愛がってやってって連絡してきてさ。だから知ってたの、いきなりだったらキモかったよね』
自虐するように笑う深澤さんが妙に大人に見えた
2人は友達の紹介で知り合ったらしく
今ではその友達を差し置いて2人で飲みにいくことが多いらしい。
世間って狭いな。
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作者名:n | 作成日時:2021年2月15日 14時