お兄ちゃん２０ ページ20
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男は鋭利の尖ったものをゆっくりと掴んで立ち上がると、ゆっくりと私の方へ歩いた。私はゆっくりと目を閉じる。
───ああ、死ぬんだ。
これから殺されるというのに妙に冷静な頭には浮かんだのは、やり残した未練とか友達の事とかこいつに対しての恨みでもなくて、何故か幼い頃の私とお兄ちゃんだった。
『やめてよ!返して!』
『やなこった!返して欲しけりゃ取り返してみろよ!』
帰り道、同じクラスの男の子にランドセルを取られたその日はお父さんの誕生日で、お母さんと一緒に誕生日ケーキを作る約束をしていたのだ。だから、早く帰らなきゃ行けないのに。じわっと目尻が熱くなったその時。私のランドセルを持っていた男の子の前にお兄ちゃんが立っていた。
『な、なんだよ』
『おれの妹を泣かすんじゃねぇっ』
上級生ということもあってかお兄ちゃんの気迫に圧倒されたその男の子は私のランドセルを投げ捨てて逃げ帰っていく。お兄ちゃんは私のランドセルを拾い自分のランドセルと一緒に肩に背負うと私の手を握った。
『帰るぞ』
『…うん。ありがとうお兄ちゃん』
『おまえを泣かせる奴がいたら俺に言えよ。直ぐに駆け付けてそいつをぶっ倒してやる』
お兄ちゃんは、昔からずっと私のピンチに駆け付けて助けてくれた。ああ、そっか、
｢お兄ちゃんは私のヒーローだったんだ｣
｢当たりめーだろ｣
聞こえるはずのないお兄ちゃんの声が聞こえた。
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Lily.(プロフ) - はなさん» ニヤニヤまでして下さって感動、、!!有難うございます(^-^) (2021年9月29日 18時) (
レス) id: 879c1c3317 (このIDを非表示/違反報告)
はな - カッコよくて可愛いかっちゃん最高でした(^_^) ニヤニヤしながらこの作品を読んでいたらお母さんに不審がられたぐらい素敵な作品でした！完結、お疲れさまです(≧∀≦) (2021年9月29日 7時) (レス) @page23 id: 71aa231e32 (このIDを非表示/違反報告)
Lily.(プロフ) - あかねさん» こちらこそ全話読んで頂いて嬉しいです!!ありがとうございます^^ (2021年9月27日 0時) (レス) id: 879c1c3317 (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - 過保護なかっちゃん最高でした！更新お疲れ様でした、素敵な作品ありがとうございました！！ (2021年9月27日 0時) (レス) @page23 id: e8088c70b5 (このIDを非表示/違反報告)
Lily.(プロフ) - ナイトウルフさん» かっちゃんの可愛さと格好良さは無限大ですよねっ(^-^)最後まで読んで頂いて嬉しいです!!有難うございます!! (2021年9月26日 20時) (レス) @page23 id: 879c1c3317 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Lily. | 作成日時：2021年9月18日 12時
