request―５ ページ27
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海は何も言わずに絵を見ている。
私も絵を見ながら続けた。
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「勘違いしてるみたいだけど。私、M大の推薦受けないよ」
「え……？」
美術してる人なら誰でも憧れるような名門だけれど、私が求めているのはちがうことで。
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「今回のコンクールで審査員に含まれている船津稜雅先生、私の憧れの人。その先生がいる大学に行きたいの」
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「……馬鹿でしょ」
「うん……わかってる」
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短い沈黙。
はあ、とため息を吐いてくるりと体の向きを変えた。
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待ってよ、言いたいことがある。
「海！」
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呼び止めるとゆるりと動きを止めた。
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「あの、こんな言葉言いたくないけど、それでも……
ありがとう」
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酷いことをされた。
ずっとずっと恨まれていた。
真実は残酷だった。
海と過ごして楽しかった。
だから辛かった。
でも、絵と向き合えた。
絵に感情をぶつけたことは初めて。
知らない、こんなにも気持ちの良いものだったなんて。
私はまだ知らないことばかりのひよっこだったんだ。
それを教えてくれたのは海だよ。
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「じゃあね」
ドアに向かう背中、全部全部最後の“じゃあね”だと気付いて涙がにじむ。
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酷い奴だった。
悔しい。
運命じゃなかったけれど、それでも惹かれてたのだと気付いて涙が止まらない。
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ぷらむね(プロフ) - ぴこさん» コメントありがとうございます、完結いたしました！ (2018年12月24日 9時) (
レス) id: f05577cece (このIDを非表示/違反報告)
ぷらむね(プロフ) - りみさん» 久しぶりです。長い時間お待たせしてしまいましたが、なんとか終わりました！支えてくださり、ありがとうございました (2018年12月24日 9時) (レス) id: f05577cece (このIDを非表示/違反報告)
ぷらむね(プロフ) - りかさん» 最後の最後は少しハッピーになれたかな、、と思います！いかがでしたでしょうか？ (2018年12月24日 9時) (レス) id: f05577cece (このIDを非表示/違反報告)
ぷらむね(プロフ) - さーちゃんまんさん» おかげさまで完結致しました。ありがとうございました！ (2018年12月24日 9時) (レス) id: f05577cece (このIDを非表示/違反報告)
ぴこ(プロフ) - また続きみたいです！！ (2018年8月18日 3時) (レス) id: 2258431a87 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：plum ne
| 作成日時：2017年12月16日 12時
