密告ゲーム

LINEー2 ページ3

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部屋にはいって、ベッドに寝ころぶ




枕に顔をうずめると
鮮明に今まであった出来事が頭の中に蘇る







そう、それは二ヶ月前

そこからすべてが始まった







「もう分かっているとは思うけど恋愛関係はもちろん御法度だし、事件なんかも痛手になる。気をつけて過ごすように」





売れてきた今が大事なとき


改めて言われて、ツアーを終えた今の胸に響いた






とはいえどもツアー後の空虚の中で何か楽しいことを求めていた



そんなとき全員に一通のLINEがとどく
新しい友達、名前は無名



【密告ゲームデス、】






もう一度通知音が鳴る





【一番オモシロクナイノハ誰？】








俺らは知り合いのいたずらか
それとも番組の何かの企画だと思って、おもしろ半分で返信した



「リョウガ」と、記して






その二日後、

稜雅の着る衣装に針が四本刺さっていた



衣装さんのミスだと思っていたけど
普通に着て腰掛けたり壁にもたれたりなんかすれば完全に体に刺さっていた
着るときに気付いたからよかったものの、大変なことになっていたと思う




でも誰も、LINEとこの事件が関係してるだなんて思いもしない







一ヶ月後、
またあのLINEがきた






【今日空気ガ読メナカッタノハ誰？】








祐基の腕にへんなキズができていた


無数の「やけど」






本人も、誰もどうしてできたのかわからなかったが気味が悪くなった






ちょうど袖で隠れるから大丈夫だったけど、顔とかにできていたら？



みんな薄々気づいた




あのLINEに返信した名前の人物が狙われると






その翌日、太陽は指を切った




ワックスに紛れ込んでいたカミソリの歯で






それでもう一つわかったこと

「返信をしなかった奴も巻き込まれる」







密告は誰が送ってくるのかわからない
どこで見ているのかもわからない




いつくるのかも、わからない









俺らはそんな恐怖に怯え、いつしか言葉を交わすことも少なくなって

必要最低限の行動しかしなくなった







もちろん、はたからみれば
笑ってるのに笑ってない

緊張感でいっぱいでおもしろくもない








でも怖い





毎日が




いま、こうしている時も見られているようなかんじがして








誰かに助けを求めればいいってわかってる

でもその誰かが犯人だとしたら？






誰にも言えずにただ恐ろしく憂鬱な毎日を過ごすだけ









「あー……だめだ、店いこ」



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