11.暇な一日 ページ13
『ねーイルミ様。私暇すぎて死にそうなんだけど…』
「勝手に死んだらいいんじゃない」
わお辛口。
そんな返答にも慣れたし、今は本当に何もすることがない。
元々仕事が好きでやってた面もあるし、案外私って仕事人間だったのかも…?
窓の外を眺めながら、ただボーッと外を見ている。
んんんんんん
だあああ!!暇すぎて!死にそう!!
「……はぁ…。」
私の行動を先程から見ていたからだろうか、読んでいた本を閉じてイルミ様が立ち上がった。
「散歩、行くよ」
『はい!』
え、待って、これじゃ本当にただのペット…?
『イルミ様、私って結構本気でペットって思ってたりしますか?』
「逆にペット以外の何なの。」
『聞いた私が間違いでした…!』
「今日は街に出るから、ちゃんと付いてきて」
この家に来て以来、初めての外!
あ、そうそう。私がこの家に来て3日経ってるんですよ、実は。
もうその間暇で暇で…、
キャッキャウフウフ的な展開もありませんでしたし……あ、これイルミ様に聞かれたら針で刺されるやつだ。
『んんんっ!街だぁ!!』
街の空気は美味しいとは言えないけど、懐かしい匂いではある。
もう戻れないかな、とも思ってたから涙でちゃうよ!
「……何で…泣いてるの…」
驚いたようにイルミ様は聞いてきた。
『だって、街に戻って来れたんです。懐かしくって……あ、たった3日しか離れてなかったんですけどね…!!』
「………そう」
外に出てからのイルミ様は、おかしかった。
私がギャーギャー話しても、ツンツンした返答は帰って来ず、曖昧な返事ばかり。
何か悪いものでも食べた…?とか?
いやいやイルミ様にかぎって、そんなことはあるまい。
『イルミ様。私、何か気に触るようなことやりましたか…?その…もし気に障ってたら、謝りたいんですが……』
「はぁ……。別に、ただ街まで来たのに、何で全然逃げようとしないのかと思ってただけ。
普通は、逃げようとするでしょ。家に帰りたいとか、大切な人の元に帰りたいとか。」
え、何。
私を家に帰してくれようとしてたって事…?
イルミ様の株急上昇だぞこれは。
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はな - とても面白かったです!素敵な作品をどうもありがとうです! (2020年6月26日 18時) (レス) id: 9bcf462fc7 (このIDを非表示/違反報告)
煉獄 - とても面白かったです!ネロとんさんの作品を読ませてもらって、とても感動しました。これからも頑張ってください! (2019年6月26日 23時) (レス) id: ea15ecfea5 (このIDを非表示/違反報告)
ネロとん(プロフ) - ミズナさん» 読んでいただきありがとうございます!私は最近H×Hにハマり、イルミの沼に潜っている最中でございます。ラジオもご存知ですよ!良いですよねぇ…!!これからもよろしくお願いします^ - ^ (2019年2月26日 22時) (レス) id: 5310c0fb7d (このIDを非表示/違反報告)
ミズナ(プロフ) - とても素敵な小説ですね!楽しんで読ませて貰っています!!まさか、主人公の好きな食べ物が、旧H×Hのイルミの好きな食べ物と一緒だと知って嬉しくて泣きました!!もしかしてH×Hラジオをご存知なのですか!?(すみません…無視して大丈夫です笑) (2019年2月25日 23時) (レス) id: 3af2c7886e (このIDを非表示/違反報告)
ネロとん(プロフ) - レコさん» 2度もコメント感謝感激でございます!楽しんでいただけて、嬉しいです (2019年2月18日 21時) (レス) id: 5310c0fb7d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネロとん | 作成日時:2019年2月14日 20時