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気が付けばもう夕方、お開きの時間となった。みんなで校内を少し散策してから校舎の外に出た。
香帆｢ブッキー凄いよね。あれから病気と戦って1年も生きたんだから｣
甲斐｢あー･･･最後の最後までしぶとかったな｣
堀部｢やっぱり先生はヒーローだったんだよ｣
諏訪｢そうかもね｣
さくらが居ないことに気が付く宇佐美は逢沢にさくらはどうしたの？と聞いた。
逢沢｢もう少し教室に居るって｣
宇佐美｢そうなんだ･･･｣
｢この後、あの店でプチ同窓会するんだろ？｣
プチ同窓会･･･中々集まれないためこの日にやろうと言うことになっていた。
宇佐美｢うん･･･でも、さくら道知らないから｣
｢アイツは俺が連れてくから先行ってなよ｣
甲斐｢ちゃんと迷子にならずに彼女をエスコートしろよー彼氏さん｣
｢バッ！お前！｣
甲斐のその言葉にみんなが一斉にこっちに振り向く。俺が何か言おうとすると須永が2人の邪魔しちゃいけねぇから早く行くべと言って先に行った。
｢ったく･･･そういう所は変わってねぇんだなアイツら。さてと･･･｣
俺は再び校舎に向かった。教室に着くとさくらが先生の写真に向かってなにか話していた。
俺は後ろのドア付近で壁に寄りかかりその様子を見守っていた。そして、話し終わったさくらは先生の写真を持ってく教室を出ようとしたが俺が後ろにいた事に驚いていた。
さくら｢成海くん!?な、なんで？先に行ってたんじゃ･･･｣
｢お前、道知らねぇだろ｣
さくら｢そこはほら･･･香帆に連絡して教えてもらおうと･･･｣
｢はぁ･･･｣
俺とさくらは取り敢えず校舎を出た。そして、正門のところでさくらは振り返り校舎を見つめる。
｢さくら？｣
さくら｢私やクラスのみんなに届いたように誰かに伝わって欲しいな･･･｣
｢あの事件をきっかけに世の中が大きく変わったってことは無かったが、きっと誰かに届いてるはずだ。先生の想いが｣
さくら｢そうだよね、そう信じるしかないよね｣
｢あぁ。さ、行くか｣
さくら｢うん｣
俺はさくらに手を差し出す。しかし彼女は首を傾げる。この鈍感が･･･
｢手だよ、手｣
さくら｢手？あ、手を繋ごって事？｣
｢そういうこと｣
俺はさくらが抱えてた写真を持ち反対の手で彼女の手を握った。
澪奈、見てるか？俺はお前の分まで幸せに生きてるからな、この鈍感な彼女の隣で。
END
終わり
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作者名：黒猫 | 作成日時：2019年3月21日 22時
