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俺の目の前であたふたとする茅野ちゃん。そんなことお構い無しに俺は茅野ちゃんの腕を掴んで自分の方に引き寄せ、腕の中に茅野ちゃんを収めた。
さくら｢え!?ちょ!?成海くん！｣
｢ｼｯ、静かにしてろ･･･他の奴が来ちまう｣
さくら｢う、うん･･･。どうしたの･･･？｣
｢何も聞くな･･･｣
さくら｢ごめん･･･｣
俺はハッと茅野ちゃんと距離を取る。何故かって？いや、教室のドアからひょこっと顔を覗かせる甲斐達がこっちを見ていた。
｢も、もう戻っていいぞ！｣
さくら｢う、うん？(汗｣
そう言うと茅野ちゃんは美術準備室に入っていった。そして、ぞろぞろと男達が出てきた。
石倉｢みーちゃった｣
須永｢お前･･･大胆だな｣
中尾｢肝心の茅野の方はなんとも思ってねぇみてぇけど｣
甲斐｢苦労するなお前も｣
｢だから、違ぇって！｣
廊下で大声を出すと女子達がうるさい！と言ってきた、俺のせいですか(泣)
すると諏訪が俺に近付いて来て小声でこう言ってきた。
諏訪｢さくら･･･鈍感だから｣
｢っ!?諏訪！お前、まさか！｣
諏訪｢･･･なに？｣
いや、この反応はアレを見ていないってことだ。じゃあなんでそんなことを･･･すると諏訪は｢大丈夫、ほかの女子には言わないから｣と言ってきた。見られてたのかー！
｢はぁ･･･そんなんじゃねぇのに･･･｣
甲斐｢なんの動画見てたんだよ｣
｢澪奈が亡くなる前のビデオメッセージ。生きて幸せになって欲しい･･･って｣
甲斐｢お前･･･景山の後追って死のうと思ったのか!?｣
｢ばっ!?声が出けぇよ!!ってか違ぇよ！｣
甲斐｢お前の方が大きい･･･｣
｢･･･俺には澪奈しかいなかったから、だから俺だけが幸せになることなんて許されねぇって｣
甲斐｢景山の分まで幸せになることがお前にとっての明日を生きる活力なんじゃないか？｣
｢明日を生きる活力･･･か。俺が幸せにならねぇと澪奈も泣くかな｣
甲斐｢そんなの知らねぇよ。でも、誰もが思うんじゃねぇのか？人の幸せを。景山だけじゃなくて俺達みんなお前が幸せになってもらいたいって願ってる｣
｢甲斐らしくねぇな｣
甲斐｢んだよ！｣
｢ありがとな。なんか吹っ切れた｣
そう言いながら甲斐の頭を激しく撫でた。俺お前の分まで頑張って幸せになるよ。約束する、ありがとな澪奈。
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作者名：黒猫 | 作成日時：2019年3月21日 22時
