留学から帰って早々人質になりました。 (ページ15)

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｢もしもし、姉さん？どうしたの急に｣

姉『･･･高校はどう？』

｢え？あぁ、楽しいよ。あと、俺再来月からバスケ留学することになったんだ｣

姉『･･･そう』

｢留学終わったら体育大学に進学する予定なんだけどさ、豪翔大学にしようかどうしようか迷っててさ｣

姉『それはダメ！』

｢え？｣

姉『あっ･･･ごめん。とにかく自分の道は自分で切り開いて･･･』
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甲斐｢黙れ！てめぇに何が分かる！知ったような口聞いてんじゃねぇよ！｣

柊｢素直になれよ･･･。夢を諦めた自分と対照的な彼女が妬ましかった。違うか？｣

甲斐｢･･･だったらなんだよ！あいつはなんのしがらみもなく好きなことばっかやって！なのに俺は、何もかも我慢して！なんで俺だけこんな目に合わなきゃなんねぇんだよ！｣

そしてさらに柊に殴りかかろうとしている甲斐の腕を俺は掴んだ。これ以上殴ると先生の見が持たないと判断したからだ。そして、柊から距離を取らせた。

｢被害者ぶって甘ったれたこと言ってんじゃねぇぞ？｣

甲斐｢っ･･･｣

柊｢お前がダンスを辞めなきゃならなくなったのは家族のせいじゃない。お前がなんにもしなかったからだ。お前が抱いてる悩みや苦しみを誰かにぶつけたか!?仲間やクラスメイトに！教師に！どうしてもダンスがやりたい！誰か助けてくれって縋ったか!?｣

甲斐｢そんなことする訳ねぇだろ！誰かに縋っても助けてくれるわけでもねぇ･･･見捨てられるのがオチじゃねぇかよ！｣

俺は石倉に近づき、背中をそっと叩き押し出した。それに驚いた石倉はこっちを振り返る。

｢なんか言ってやれよ、ダチなんだろ？｣

何かを決心した石倉は今まで思っていたことを甲斐にぶつけた。石倉の言葉を聞いて甲斐中の何かが崩れたような気がした。
そしてもう何もかもが遅いと決め付けた甲斐に柊は彼の髪をグッと掴み上を向かせる。

柊｢甘えてんじゃねぇぞ？お前は景山の人生を狂わせた1人なんだ、遅いなんて言わせねぇ。景山の為にも真実を明かして明日と戦え。抗え！もがいて掴め！生きてるお前にはそれが出来るんだよ｣

その言葉に俺は違和感を感じた。生きてる･･･柊、お前も生きてるだろ。なんでそんなことを言ったのかはあとから知ることとなった。