留学から帰って早々人質になりました。 (ページ11)

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柊｢だから･･･こんな馬鹿なことはするな！｣

柊は俺の左手首のリストバンドをずらした。そこには何本もの切り傷が刻まれていた。

俺は澪奈のこと考えては何も出来なかった自分を責め、自分自身を傷付けていた。

柊｢自分を責めるな。自分の身体をもっと大切にしろよ･･･景山が今のお前を見たらきっと悲しむぞ？｣

その言葉に俺はまた涙が溢れた。柊は箱ティッシュを俺の目の前に置き、泣きじゃくる子どもをあやすかのように背中を摩り続けた。

柊｢お前に課題をやる。明日を生きる活力を見つけることだ｣

｢･･･明日を生きる活力？｣

柊｢そうだ。なんでもいい、それを残りの学校生活で見つけるんだ｣

やっと涙も止まり、教室に戻ろうとしたが美術室の鏡を見て目が真っ赤になっていることに気が付く。

｢あっちゃ･･･こりゃ明日腫れてるか？｣

柊｢五十嵐｣

後ろを振り向くと同時に何かが投げ渡された。俺はそれを見事キャッチするが･･･

｢冷てぇ!!｣

柊｢それでしばらく目を冷やしな｣

渡されたのはアイマスクの形をしたアイスノンだった。俺は寝静まった教室に静かに入り自分の席に付く。そしてアイマスクをして眠った。