初恋【赤】

＊１９ ページ19

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「 大毅、お疲れ様 」





会社を出ると、そこには菜摘の姿。

にこっと笑って俺の好きなコーヒーを渡してくれた。





「 さんきゅ、おし行こか 」





昨日の夜、


“ 大毅！明日お仕事終わったらデートしよ！！ ”


なんて子供みたいに言ってきた菜摘。



なにするん、って聞こうとしたら



“ これ！食べたい！ ”


凄い勢いで見せてきたスマホの画面には、なんともお洒落なパフェの写真。



良いか駄目かなんて答えさせてくれないくらいの威圧感に負けて、今に至るわけで。






「 ね！大毅どれにするー？ 」


「 俺？んーー俺はこれでええよ 」





メニューをさらっと見て適当にバニラアイスを選ぶ。





「 えー？パフェ食べないの？ 」


「 そんなん甘すぎて食べられへん 」





“ じゃあちょっとあげる！ ” って言って自分のパフェを選び始める。



パフェ一つに全力で悩む菜摘。





いつもは綺麗系の彼女が、幼く可愛く見える。



100人男がおったら90人からは、可愛ええって言われるくらい美人の菜摘。


俺には勿体無いくらい。





でも、



なんかちゃうねんな、





ほんま最低よな俺。






結婚してるくせに、奥さんがいるくせに、




贅沢よな。こんな悩み。







ほんまに結婚相手が菜摘で良かったんかな、って考えてまう。





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