初恋【赤】

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鼻を赤くした彼にメニューを差し出すと



マフラーを雑にとったせいで少し乱れた


ふわふわな髪の毛を整えながら覗き込んできて





「 んー、ホットコーヒーかな 」





斜め隣のテーブルの片付けをしている金髪の店員さんに声をかけると、





「 あれ、Aやん、来とったんや 」





神ちゃん。


ここのカフェの店員さんで、


歳が近いこともあって、いつのまにか彼と仲良くなっていた。





「 うん、あ、ホットコーヒーひとつ 」



「 え、Aコーヒー飲め、、 」





彼は喋っている途中に、だいちゃんの存在に気づき


なるほどなあ〜、とにやにやしながら去っていった。


絶対勘違いしてる。





「 なんや、今の金髪くんお前の彼氏か 」



「 へ、ちがうよ

友達。」





ふ〜ん、と自分で聞いておいて興味なさげに携帯をいじる。





そうだよね、私のことなんてどうでもいいよね。









だってだいちゃんはもう、







結婚してるんだもん。





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