選択 ページ38
私を抱き抱えたのは目を疑うモノだった。
「お…父さん…」
焔ビトになった父だった。
一本ヅノの焔ビトで手には代々受け継がれていた腕の釧が確信にかえる。
眼球はなく、頭蓋骨がまるで炎に包まれ炎は私を包むが、熱くはないむしろ濡れた体を優しく包み込むような優しい温もりを感じた。
じっと見て口をぱくぱくと動かした。
何を言ってるか分からない…でもお父さんは私にネザーの時から何か伝えたい様子だった…
「なんて言ってるか分かんないよ…お父さんっ…」
温かい炎からいつもの父から感じる優しさが伝わって涙が止まらない。
「教えてやろうか」
「!!」
木の影から出てきたのはあのお団子頭の顔に冠のようなモノで覆った女の子だった。
「神の思し召しに能力を支えと言ってんだよ」
「貴女達の仲間になれと?」
そっと父は私を地面に立たせる。
「それがお前の生まれた意味なんだよ。その男も神が望むのであればと焔ビトになったのによ」
「えっ…」
咄嗟に父の方を振り向くと私を見てまたカタカタと口の骨を動かし何か言う。
「正しい事をしろってさ」
「!!」
「お前の今の行動は、この世全てに反してるとさ」
「そんなの…でたらめに決まってる!神なんて…そんなの…」
神がいたら…こんな世界には…
「お前も寺の子だろ、いろんな神を学んだだろう。信じてないわけではないんだろう」
「黙れ…」
「今の環境がお前を神から当ざけてる。神はお前を必要としてる、その男もお前の能力をな」
「正しい事をしろAお前は間違ってる」
「父さん…」
焔ビトから幻聴が聞こえ、また口が動いているが何を言いたいのか分からない
「正しい事をしろ、神の思し召しのために」
女の子が手を私に差し出す。
正しい事を…この人達が正しい事…なの…
だからお父さんはあっちにいるの…
炎に苦しみながらずっと…あの時から…耐えてるの…
早く炎の苦しみから解放させてあげたい
「お父さんが選んだの…」
「あぁ、伝道者の目的を果たしたいとな、お前父親はずっとお前がこちらににくる事を待ってんだぜ」
私の後ろにいた父は手を差し出す女の子の方へと歩いていった。
「お前ノ力ハ伝道者ノ為ニアル」
焔から声が聞こえた父の声に似ていたが…
「それがお父さんの言葉なんだね」
「あぁ」
ニシッと笑う女とその隣にいる父の背後から木に立てかけていた鶴亀傘を浮遊させる。
「分かった、されがお父さんの言葉なんだね」
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クリーム(プロフ) - イルカさん» ホントだ笑ありがとうございます (2020年10月18日 0時) (レス) id: 58b85f6ce7 (このIDを非表示/違反報告)
イルカ(プロフ) - イラストの紅のセリフ、喫 煙ではなく禁 煙では? (2020年10月17日 20時) (レス) id: 55fd3da7df (このIDを非表示/違反報告)
クリーム(プロフ) - イルカさん» いつも絵にコメントして下さってありがとうございます(ToT)毎回励みになってます (2020年7月9日 10時) (レス) id: 58b85f6ce7 (このIDを非表示/違反報告)
イルカ(プロフ) - 新しい最初の方のイラストがすごく可愛らしい。( ノД`)…やっぱり髪が短いのはいいねぇ… (2020年7月9日 6時) (レス) id: 55fd3da7df (このIDを非表示/違反報告)
イルカ(プロフ) - セーラー服可愛い!紅丸さんはセーラー服夢主を抱きたいメモメモφ(..)(殴 ごめんなさい (2020年7月5日 0時) (レス) id: 55fd3da7df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クリーム | 作成日時:2020年4月23日 12時