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理由 ページ37

川の近くで1番高い木に登って川の水を浅草の水車を回しながら水路へ移動させる。

これを3時間ほどすれば浅草の電力は賄われる。

「こんな時は役立つのに…」


この力は一体なんのために…
火ではなく水なのか…
私なのか…
一人で黙々と水を操っているとこんなことばかり考えてしまう。

水を操る特別な力…
何かを果たす役割を達成させるために…
どうしてこんな力が私なんかに…
他の人じゃないのか…


「正しい事をしなさい」


父は毎日選択に私が悩むとそう言った。
正しい事とは何なのか…

蜘蛛の巣に捕まったトンボを助けるか助けないか悩んでいた時も…父は「正しいと思うことをしなさい」と言った。

トンボを助けないとこのまま蜘蛛に食べられて死んでしまう。

でも蜘蛛もこのトンボを食べないと死んでしまうかもしれない…

どちらを生かすか私が選んではいけない。

父ならどうするのだろうか…そんな事ばかり考えていた。
父が言ったコトなら正しいと言葉通りに動いていただろう。

もし…私が伝道者に力を貸すことが正しい事で、
この世界を壊すことが正しい事なら…

私はこの暮らしを自分で消す事を選ぶのだろうか…

伝道者が正しいと…父にそう言われたら

生まれ育った寺や、ヒカとヒナと出会った鳥居も…
浅草も…紺炉も…紅も…全部消す事が正しいと言われたらみんなを…私は…

なぜあの時だけは父はあんな事を言ったのか…


いつもなら…


「人のために世のために使いなさい」と言うのに…


何であの時は…


「正しいことをしなさい」とも言わなかったの…


あの時だけは…


あの時の父さんの顔はとても…

とても…


「きゃっあ!!」

考える事に集中してしまい、真上にあった水が自分にバケツをひっくり返したかの様に被り足元を滑らせて木から落ちた時、走馬灯が見えた。

丁度あの時の記憶

「どうしよう…助けない方が…助けた方がいいのかな…でも」

蜘蛛の巣に絡まるトンボはバタバタと逃げ出したいと叫ぶ様に羽音を立てた。

「た、…助けなきゃ…」

この光景を気づいたって事は誰かが私に呼びかけたんだと、神様かこのトンボを…

トンボを助けなさいと私に気づかせたんだと思い咄嗟に水で羽に絡まる糸を取って…

私は森に走って死んだ虫を探して蜘蛛の巣につけたんだ…

ガサガサと木に当たり下に落ちる感覚にふと我に帰った時だった体がふんわりと包まれた。

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クリーム(プロフ) - イルカさん» ホントだ笑ありがとうございます (2020年10月18日 0時) (レス) id: 58b85f6ce7 (このIDを非表示/違反報告)
イルカ(プロフ) - イラストの紅のセリフ、喫 煙ではなく禁 煙では? (2020年10月17日 20時) (レス) id: 55fd3da7df (このIDを非表示/違反報告)
クリーム(プロフ) - イルカさん» いつも絵にコメントして下さってありがとうございます(ToT)毎回励みになってます (2020年7月9日 10時) (レス) id: 58b85f6ce7 (このIDを非表示/違反報告)
イルカ(プロフ) - 新しい最初の方のイラストがすごく可愛らしい。( ノД`)…やっぱり髪が短いのはいいねぇ… (2020年7月9日 6時) (レス) id: 55fd3da7df (このIDを非表示/違反報告)
イルカ(プロフ) - セーラー服可愛い!紅丸さんはセーラー服夢主を抱きたいメモメモφ(..)(殴  ごめんなさい (2020年7月5日 0時) (レス) id: 55fd3da7df (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:クリーム | 作成日時:2020年4月23日 12時

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