ビルの上 ページ16
「なんだあの無駄な明るさは」
「電気の無駄遣いだね」
高いビル最強さんと嬢ちゃんはそう言って政陽教会皇国庁を見つめる。
「通り開けた土地に厳重な土地だよ、侵入を恐れてな」
「同じ髪型の人がたくさん」
「この距離で見えるのか嬢ちゃん」
俺にはどこに窓があるかすらわからねェが…嬢ちゃんには窓から室内の人間まで見えるみてぇだ。
「まぁそういう訳で、正門から正面突破でいこうか」
「わかりやすくていいな」
「なんで!?結構な人がいるよ!?いくらなんでも手加減してたらキリないよ…」
「だったら殺せばいい」
「殺したら私達まで指名手配されるよ!!」
「暴れるだけだ」
心配そうに最強さんと話す嬢ちゃんははぁとため息を吐く。
「もしもの時は水道管破裂させて水のせいで〜とか何とか言って誤魔化すよ」
「そうしてくれ」
なかなかぶっ飛んだ事を言う二人の会話に俺でも笑らけてしまう。
「しかしこんな怪しい奴によくついていく気になったな、お前ら相当変わってるぜェ」
「私を入れないでよ」
最強さんについて来ただけの嬢ちゃんは横目で最強さんを睨みながらそう言った。
「おまえさんが怪しいからこそだ。俺が見張って怪しい動きがあれば潰せばいい」
ビルの端に立つ俺を今にでも突き落とそうとする様な目で最強さんは見ていた。
後ろでは、貯水タンクの上に腰掛ける嬢ちゃんも俺を後ろから躊躇なく押しそうな目で見ていた。
「押すなよ!?ここ高いんだからお前らみたいに飛べないんだぜぇ俺は!?」
「まだ、押さねェよ」
「まだ!?」
最強さんの言葉に頷き嬢ちゃんが口を開く
「どこかで見たことある顔だと思ったら、貴方皇国の指名手配書だった。わざわざ危険を冒して皇王庁に殴り込みなんて何考えてるの?」
「俺の正義のためだ。俺は真実を知りたい!」
「真実って…なんの?」
「この国でこの世界で何が起きているのか」
「そんなの事分かるの?あそこに行けば…」
「あそこには何かある。その真実を知るためなら神頭も倫理も、道徳も美徳も知ったこっちゃねぇ…俺はこの国に生まれて存在した。この国の真実を知る権利がある。真実こそがみな平等な正義だ」
「それが正義とは別として…私にも関係あるって言うのは?」
「嬢ちゃんの正体が分かるはずだ」
「私の…正体…」
俺の言葉に顔色を曇らせる。
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クリーム(プロフ) - イルカさん» ホントだ笑ありがとうございます (2020年10月18日 0時) (レス) id: 58b85f6ce7 (このIDを非表示/違反報告)
イルカ(プロフ) - イラストの紅のセリフ、喫 煙ではなく禁 煙では? (2020年10月17日 20時) (レス) id: 55fd3da7df (このIDを非表示/違反報告)
クリーム(プロフ) - イルカさん» いつも絵にコメントして下さってありがとうございます(ToT)毎回励みになってます (2020年7月9日 10時) (レス) id: 58b85f6ce7 (このIDを非表示/違反報告)
イルカ(プロフ) - 新しい最初の方のイラストがすごく可愛らしい。( ノД`)…やっぱり髪が短いのはいいねぇ… (2020年7月9日 6時) (レス) id: 55fd3da7df (このIDを非表示/違反報告)
イルカ(プロフ) - セーラー服可愛い!紅丸さんはセーラー服夢主を抱きたいメモメモφ(..)(殴 ごめんなさい (2020年7月5日 0時) (レス) id: 55fd3da7df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クリーム | 作成日時:2020年4月23日 12時