50 ページ50
「うわっ!ビビった…なんだあの鳥…」
「昼間っからずっとあそこに止まってるぜ」
「見たことねぇ鳥だな…」
(人1)は無闇に鳴いたりしない。
先程の声は自分に何かを知らせるための鳴き声だとAは気づき何を知らせたいのか観察し目線を見て気づく。
15時の方向に体の向きを変え、羽を大きく広げて威嚇のポーズをし、(人1)が千空達を見つけたのだろうと気づく。
ピー ピ ピーピーピピピーピピーピー
Aの笛の指示で(人1)は千空達に向かって肩羽ずつ羽を広げる。
羽を使ったモールス信号で「ラボと向かう」と伝えていた。
千空達なら気づいてくれるはずだとAは信じ(人1)に同じ指示を送り続ける。
(人1)の不自然だが一定の動きからして千空はモールス信号だと気づき羽の動きから言葉を読み取りクククと笑う。
「Aも(人1)もやる気満々じゃねぇか」
「なんだ?」
「ラボと向かうだとよ」
(人1)に千空はシッシッと虫でもはらうように手を動かす。
「ギャン!!」
「うわお!!また鳴いた」
「耳障りな声だな…追い払うか?」
「ほっとけ、勝手な行動をしたら怒られるぞ」
(人1)が千空達がいる方向に体を向けて不貞腐れるのを見て、Aは何かの合図だと気づく。
「合図したって事は…」
通じたのかとわざと(人1)を怒らせてアクションを取らせたのかと納得する。
さすが千空さん…しかし通じたのはいいが状況は変わらない。
「うんん…」
「ちょっとこのタル誰か動かした〜?」
「!!」
甲板を視察していたイバラは銀狼が隠れている樽の位置が小指1本ほどズレていることに気が付き、二人の心臓を跳ねさせた。
イバラの洞察力と記憶力にAは額に汗を垂らす。
銀狼の樽に手をかけ顔を近づけるイバラにAも銀狼も緊張のあまり相手に聞こえてしまうのではないかと言うほど激しく心臓を鳴らしてしまう。
「っーーー……ガジャン
「!?」
温室の方からガラスが割れる様な音が響きタルからイバラの手が離れる。
「イバラ様!透明なこおりの部屋からです!」
温室へと向かう敵に二人は助かったと安堵のため息を吐いて肩の力を抜く。
敵が減った今が動けるチャンスだとAは銀狼と一緒に隙をついてタルから出ると一目散に銀狼が海に飛び込もうとする。
「ラボカーを置いてどこに行くんですか!!」
16人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
クリーム(プロフ) - 月依さん» ふぁぁ。゚(゚´ω`゚)゚。コメント嬉しいですありがとうございます (12月20日 18時) (レス) id: 58b85f6ce7 (このIDを非表示/違反報告)
月依(プロフ) - 一言しか言えない…てぇてぇ…(作者さん、更新頑張ってください!養分をありがとう!!) (12月19日 14時) (レス) id: 65959ed73c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:クリーム | 作成日時:2023年12月16日 10時