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「俺に当てんなよ〜?」
「は、はい…き、気を付けてます」
羽京に作ってもらった過去の弓よりも更に小さく、矢の先は丸くなっており子供にも安全な弓矢だった。
「一個も当たんなくても景品は貰えるから安心してくれ」
参加賞の景品は浜辺で拾ったタダの貝殻だ。
医療担当でもある非力なAが弓を使っていたことはほとんど知られておらず、弓を構え欲しい鉱石に矢を放ち楽々と商品を撃ち落とすのを見て陽は一瞬驚くが、たまたまだと思いながら羽京と一緒に褒める。
「上手いじゃん!」
「すごいね、次はどれにするの?」
「次はトパーズが欲しいです」
「あのオレンジぽいヤツ?」
「はい」
その次は黄色い鉱石が欲しいと次々と矢を放ち鉱石に命中させ棚から落とすのを見て陽は唖然とし止める頃には…
「上手になったね」
「羽京さんが丁寧に教えてくれたからっ…」
一回教えただけではこれほど上手くはならない。
沢山影で努力してたんだろうなとAの努力家な所に羽京はまた好きが増えて困るなと思いながら嬉しそうにしてる恋人を見つめる。
「弓使えるなんて聞いてねぇ!!反則だろ!?」
「やっぱりそうですよね…」
Aの肩を持ち反則だと言う陽に羽京はニッコリと微笑み、僕以外なら良いんでしょ?と陽に伝えAの肩から手を離させる。
「持ってけ泥棒!!」
「あ、ありがとうございます…なんか…すみません」
サービスしてもらったし申し訳ないと腕いっぱいに鉱石もらい戸惑うAから羽京は鉱石を受け取る。
「治療室に運ぶね」
「ボクも行きます」
「ここで座って待ってて、あんまり歩いたら疲れちゃうでしょ?」
もっと二人で楽しみたいからと言ってAを店の前のベンチに座らせて治療室へ羽京が置きに向かう。
「あ、あの…陽さんすみません…黙ってて」
「本当だぜぇ!?詐欺だぜ詐欺!!」
困った顔をする男のAを見て可愛いから許してしまう女好きの自分に陽は頭を抱える。
「あのっ…これ…」
「?」
3本も矢をおまけしてもらったからと、Aは代わりにこれを目玉商品にしてはどうかと閉じた貝殻を袖から出して陽に渡す。
「貝殻?こんなの誰が欲しいんだ?その辺に大量に転がってんだろ」
「そ、そうなんですが…中開けてください」
言われた通りに陽は貝殻を開けると、赤く柔らかい土の様な物が身のように詰まっていると驚く。
「ベニバナから作った口紅です」
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クリーム(プロフ) - 月依さん» ふぁぁ。゚(゚´ω`゚)゚。コメント嬉しいですありがとうございます (12月20日 18時) (レス) id: 58b85f6ce7 (このIDを非表示/違反報告)
月依(プロフ) - 一言しか言えない…てぇてぇ…(作者さん、更新頑張ってください!養分をありがとう!!) (12月19日 14時) (レス) id: 65959ed73c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クリーム | 作成日時:2023年12月16日 10時