君の心臓の音【Dr.STONE】3.5 (ページ6)

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「羽京どおした？」
「えっ…あっ、なんでもないよ」

龍水とAをじっと見つめ食べる手を止めていた羽京に、クロムはシュトーレンを頬張りながら羽京の向けていた視線の方に顔を向ける。

「おぉ、なんか仲良くなってんな」
「…そうだね」

シュトーレンを持って顔を赤くしてるAに龍水は手を置いて瞳が美しいと褒めているのが羽京には聞こえた。

龍水はAに好意があるのだろうか…Aがほしいとフランソワと話しているのが先ほども聞こえていた。

その意味がどう言う意味かは分からないが、少なくともAに好感は持っているのだろう。

そしてAもきっと…

ざわつく胸に羽京は手を添えていると千空に呼ばれ、シュトーレンを持って長期間の探索へと向かってくれと伝えられる。

「分かったよ」

司帝国の往復そうそう悪いなと一週間ほどかかる探索ルートを聴きながら羽京の目はAに向いていた。

一週間自分がいない間に2人が仲良くなっていたら…
戻った時には付き合っていたら…そんな不安を抱きながら羽京は旅の準備を始める。

「く、クロム君！！」

頂いたシュトーレンをAは治療室に置きに向かうと、羽京達探索チームが探索に行く準備をしていることに気づきAは咄嗟に近くにいたクロムに声をかける。

「…えっ、そんな長旅になるの！？」
「おう、もう出発するぜ」

どの辺りまで探索に行くのかクロムに地図を見せて教えてもらい、一週間ほどはかかる道のりだとAは気づき驚く。

「う、羽京さんも知ってるよね…」
「おう、羽京から聞いたからな」

いつもなら探索に行くとなったら羽京はAに伝えていた。

「すぐに…行くの？」
「おぉ？」

準備が出来次第出発だと言われたからもう行くぜとクロムは首を傾げる。

なんで今回は教えてくれなかったのか、羽京にやっぱり避けられているのではないかとAは不安を募らせる。

「こんなうめぇパンありゃあ余裕だけどな」

シュトーレンを抱きしめてそう言うクロムはAが浮かない顔をしている事に気づき顔を覗き込む。

「どうしたA？」

気球で見た景色とAは探索ルートを照らし合わせどんな道か想像する。

「クロム君…このルートを通る時はこっちのルートにして」

Aは千空が描いたルートを少し訂正する。