君の心臓の音【Dr.STONE】3.5 (ページ46)

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「あ、あと！」

質問が止まらないAに羽京はフフッと笑いAを驚かせる。

「Aは大学ではそんな感じだったの？」
「！！すみませんっ…」
「えっ！？なんで謝るの！？」

大学でも気になる所があると質問ばかりしてしまい迷惑がられた時があったからとAは学生時代を思い出し申し訳なさそうに話す。

どんどん飛び級をしてもAの知識量に他の生徒や教師が追いつかない事が多々あり教師にもかなり煙たがられていた。

「その辺りの匙加減が分からなくて…」

多分永遠と聞いてしまうからと伝えるAにそれは大変だと笑う羽京に肩身を小さくさせる。

「A嫌ったりしないから沢山聞いても良いんだよ」
「！！」

ぽんと頭に手を置いて羽京は優しく微笑む。

「Aがそれでも気になって質問しづらくなるなら、時間を決めよう」

一時間だけなら全然疲れないし、Aも気にならないじゃないかと羽京は提案する。

「僕はこうしてAに教えてるの結構好きだよ」

楽しそうに学んでる姿を見るのが嬉しいと言う羽京にAはトクトクと心音を鳴らす。

「だから、気にせず沢山質問してね。いつもより沢山Aの声が聞けるから嬉しいんだ」

Aの声はとても聞いてて心地がいいからと、羽京はAの垂れる髪を耳にかけ照れてる顔がよく見えるようにする。

「君を嫌いになる事なんてないから、安心して沢山甘えてほしい」

自分に向けてくれるとても優しい柔らかい眼差し、思いやりのある言葉に優しい声、自分に触れる羽京の手はとても心地よくて温かくて、ﾄｸｯﾝﾄｸｯﾝ…と心音が心地よさや幸せを教えてくれる。

もっと触れてほしい…そう思うのは欲張りだろうか…

「A好きだよ」

トクトクと早くなる心音は次は何を教えてくれてるのか…

特別な言葉だけでも凄く心地がいいのに…
恋人との特別なキスはどれほど心地がいいのか…

「…羽京さん」

勉強への好奇心に引っ張られ、高鳴る心音の意味や、恋人に触れられる心地よさをもっと知りたいと欲張ってしまう。

キスがしたい…。

なんて積極的な事をAが口にして言えるわけもなく。

Aは甘えるように羽京を呼び袖をキュッと掴み、思いが伝わる様に羽京をジッと見つめる。

「そんな目で見つめて……」

自分の袖を掴むAの手を優しく羽京は握って、顔をゆっくりと近づける。

「沢山キスされても知らないよ」