君の心臓の音【Dr.STONE】3.5 (ページ38)

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Aの努力により無事に石油が見つかり探索チームは予定より早く帰還する。

「お帰りなさい」

まだ頭痛が残っていがAはそんな事を忘れてしまうほど羽京に予定より早く会えて嬉しそうに駆け寄る。

「ただいま、Aが石油見つけてくれたって聞いたよ」

コクっと恥ずかしそうに頷くAに羽京はお礼を言って今回の探索で見つけた薬草をプレゼントする。

「ありがとうございます」
「メープルの木も無事に何本か近くで見つかったから長期探索は当分ないかも、新しい地図もあるしね」

あぁと呟く千空にAはパッと顔を明るくする。

「Aのおかげだよ、ありがとう」

お昼一緒に食べようねと言いながら治療室に薬草をAと運ぶ。

「あ、あの…コスモスありがとうございます」

完全に枯れる前にドライフラワーとして部屋に飾っていた。Aは薬草を作業台に置いて、薬草と一緒に吊るしてるコスモスを見る。

「また綺麗な花があったら取ってくるね」

手紙もありがとうとAは内容を思い出して顔を赤くする。

「うん、Aのおかげで本当に早く隣に戻ってこれたよ」

羽京も薬草を作業台にそっと置くとAにゆっくりと近寄り囁く。

「会いたかった」
「っ…」

感じ事のない空気にAは気まずくなり顔を晒すと、羽京に腰を持たれビックリと体を跳ねさせ咄嗟に顔を向ける。

「キスしてもいい？」
「！？」

ゆっくりと羽京が顔を近づけるとAが目を回して今にでも倒れそうになっているのを見て笑ってしまう。

「ごめん、まだ早かったね！」

Aには早すぎたと羽京は余裕のなさすぎるAを見てついつい笑ってしまう。

「ぅぅ…」

子供扱いかとAをムッとさせるが本当に頭の中が先程まで真っ白で心の準備も何もできてなかったのは確かだった。