君の心臓の音【Dr.STONE】3.5 (ページ33)

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食事を終えて早速Aはメープルシロップが取れる木の特徴を事細かく紙に書く。

初めてAの能力を見る南は驚いていて感動する。

「凄い…まるで写真ね」
「写真を模写してるので」

図鑑で見た写真をそのまま写して書いているからとAは5種類ほどのカエデ科の木を書いた資料を提出せる

「あれは違うのか？」
「あれは違います」

村の近くに立っているカエデの木をコハクは指さすが、全くの別物。

「この木ならいつも撮りに行くスモモの木の近くになかったか？」
「あれも違いますね、似てますが」
「そうか…違いが分からん」
「おぉ、ヤベェほど似てるやつ見たことあるぞ…」

コハクとクロムは資料を見て区別が難しいと悩む。

「植物の判別は学者でも難しいからね」

決して2人の洞察力が低い訳でも、Aの説明不足でもない。

似た様な植物など100とあり、素人がそれを区別するのには絵だけでは無理がある。

「千空さん気球から紅葉している木を探してそれをボクらが調べに行った方がいいかと…」

Aは探索チームの負担が大きくなってしまう事を心配してそう伝える。

「探すのに苦戦して冬になれば葉も落ちてさらに判断が難しくなりますし」

一本ならまだしも、最低でも20本はみつけないといけない。

「森には沢山木があるからな、慣れればすぐに見つかるだろう」
「おぉ！20本ぐらいすぐに見つけてやるよ！」

任せろとコハクとクロムは簡単だと言うが、砂の中から砂を探すのとは全く違う。

「頑張るよ」

森の中から一種類の木を見つける事がどれだけ大変か、それを分かっている羽京は苦笑いを浮かべながらも、そう言って情報の紙を手に取る。

「じゃあ，行ってくるね」
「お気をつけて」

探索チームを心配そうに見送りAは治療室に戻る。

「？」

机の上に花の束置かれていることに気づく。

「コスモス…？」

誰かが収穫してくれたのか？
しかし…コスモスは薬草にはならないので依頼した覚えはない。

「！」

コスモスの束の中に紙が挟まっていて、中を見ると羽京からのメッセージが書かれていた。

「うっ…」

いつの間に置いたのかメッセージを見て顔を赤くしながらAは花瓶にコスモスを飾る。

「心臓が…ほんとに持たない…」

恋人になってもあまり変わらないと思っていたが…
あまりにも羽京がストレートに愛をぶつけてくるのでAは受け止めきれず朝だけでパンク寸前になっていた。

仕事をしながらたまに息抜きとしてコスモスを見つめる。