君の心臓の音【Dr.STONE】3.5 (ページ32)

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「寒いでしょう」
「あ、ありがとうございます…」

レストランに置いてある膝掛けを羽京はAにかけ、椅子を近づける。

「あっ、あのっ…」
「ん？」

羽京の目線が熱いとAは愛おしそうに自分を見てくる羽京から顔を晒す。

羽京はあまり変わらないと思った事は訂正する。
明らかに今までより距離感が近い。

そして…

「今日の探索は食材が中心だから出来るだけ早く帰ってくるね」
「は、はい」
「何か食べたい物はある？見つけて取ってくるよ薬草でもなんでも」
「あ、ありがとうございます…」
「今日は風が強いから、暖かくしておくんだよ」
「は、はい…」
「お昼もちゃんと食べるんだよ」
「は、はい」
「いい子だね」
「……」

いつもの倍以上に優しく甘やかされている！！

頭を優しく撫でられ可愛いねと呟かれ、空になったコップに水まで入れてしまわれる始末！

こんな事が毎日続いたら心臓がもたない！！
ずっとドキドキしている心臓をAが抑えているとフランソワがパンケーキを運んできてくれる。

猪肉で作ったソーセージに、秋のサラダに野菜スープ…豪華な朝食を前に手を合わせて頂く。

「なにかかける？」

真ん中のテーブルに蜂蜜やジャムバターが置かれておりお好みでトッピングが可能な様だ。

羽京がかけるならと一緒にAも付いて行く

「ジーマーで嬉しいね現代食」
「はい」

日本より海外寄りな朝食だねと嬉しそうにゲンはハチミツをパンケーキに垂らすのを見てAはハッとある物を思い出す。

「メープルシロップ！！」
「？！」
「千空さん！メープル！メープルシロップです！」

皆がいきなりどうしたと驚く中千空も気付く。

「あぁ、日本にも何種類かカエデ科は生息してる」

イタヤカエデ、オオモミジ、ウリハダカエデ、ヒナウチワカエデなど千空が日本に生息してるカエデ科の木を伝える。

寒い時期に収穫すれば糖度も上がっているからどれも砂糖にするには問題ないとAと千空は2人で砂糖が大量に手に入ると盛り上がる。

「なんか分かんないけど、解決したみたいだね」
「日本にもあるのねメープルシロップ作れる木」
「でも、メープルシロップで砂糖なんて作れるの？」

メープルシュガー海外では一般的に使われていたとAは南に説明する。

食ったら速攻で資料作れとAにメープルシロップが取れる木の特徴を描くように千空は指示をし、探索チームに石油探しのついでに見つけるように伝える。

「おぅ！任せとけ！」