君の心臓の音【Dr.STONE】3.5 (ページ31)

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「あっ！アマヅラはどうですか？奈良時代から室町時代にかけて日本で使用されていた甘味料です！」

そんな事まで知ってんのかと千空はどこでそんな資料を見たんだと呆れた様に笑う。

満更でもない顔でAはその植物なら図鑑で見ているから描くことも可能だと鉛筆と紙を用意するが…

「甘葛は効率が悪すぎるから却下だ」
「えっ！？」
「大人4, 5人がかりで1日掛りで10cc程度しか作れねぇからな」
「そ、そうなんですかっ！？」

また記憶保管庫から砂糖の元になりそうな植物をAは探すが、保管庫をあさりすぎて頭痛を起こす。

「うぅ…」

ぞろぞろと他のメンバーも起き出して、朝から眉間に深くシワを寄せて考え込んで2人を見て声をかける。

「甘いミツなぁ…蜂蜜じゃあ無理なのか？植物の密だろ」
「うん、でも砂糖には加工できないんだ」

クロムも一緒に朝から考えて頭を使う。

「おはよう」
「！」

身支度を済ませた羽京も外に出ていつもの様に挨拶をする。

「おはようA」
「っー…お、おはよう…ございます」

わざわざ指名でもう一度挨拶をする羽京にAは恥ずかしそうに返事を返す。

「そろそろ朝ごはんだから、レストランに行こ」

何か食べた方が頭の回転も良くなるよと伝え仕事を中断させ、みんなをレストランへと向かわせる。

「A昨日は眠れた？」
「は、ﾊｲｯ…」

心臓がドキドキして一睡もできませんでした。
なんて恥ずかしくて絶対に言えない…とAは昨晩のことを思い出して顔を赤くさせる。

自分の隣を歩く羽京がいつもより距離が近い様な気がすると思っていたが、気のせいでは無さそうだ。

「ボクは全然眠れなかったよ」
「えっ…」

苦笑いで羽京はそう言うので具合が悪いのかAが尋ねようとすると、羽京が腰を少し屈ませてAに顔を近づける、

「Aと恋人になれたこと嬉しくて」

皆んながいる中で小さい声で何をいきなりとAは顔を真っ赤させる。

「どうしたA顔赤けぇぞ」
「なな，なんでもない！！」

先にレストランに走るクロムに気づかれてしまい，Aは咄嗟に誤魔化す。
みんなに付き合ってる事がバレるのも時間の問題だと羽京は嬉しそうにレストランに入る。

恋人だと意識してるのは自分だけなのかとAは余裕そうな羽京を悔しそうに見つめる。

「Aおいで」

椅子をひいてAを隣に座らせる羽京を見て現代人は2人の間に〝何か〟あったなとみんな察する。