君の心臓の音【Dr.STONE】3.5 (ページ26)

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「自分からの贈り物だと知ればA様に拒否されるかもと、口止めをされていましたので」
「えっ…なんで…否定なんて…」

否定なんてするはずない羽京さんからの贈り物ならなんだって嬉しい

「羽京様もA様に嫌われているのではないかと勘違いされているのかも知れません」
「……でも、勘違いされる様な事…」

むしろボクが羽京さんに避けられているのにと泣きそうな声で伝える。

「よくお二人で話し合ってはいかがですか」
「でも……もう…羽京さんはボクとは話してくれないです…今日だって…」
「もしそうなら、あんな顔をしてA様を見たりはしませんよ」
「っ…」
「龍水様もそれを望んでおられます」

そう言われても…もう怖くて声をかける勇気なんてない。

俯いたまま動けないボクに羽京さんが優しい声をかけに来てくれるので咄嗟に顔を上げてしまう。

「Aなんで泣いてるの…」

いつレストランに入って来たのか涙を咄嗟に拭くが、顔が怖くて合わせられなくて俯いてしまう。

「ごめんね、二人で話してる時に…」
「っ……」
「…隣に座ってもいいかな」

『隣』と言う言葉にドキッとしてしまい、席を立って逃げ出そうとするが、フランソワさんに名前を呼ばれその場に立ち尽くす。

「Aごめんね、僕の事嫌いかもしれないけど…」

なんでボクが羽京さんの事が嫌いだと思ったの…
そんなの一言も言っていない…
好きで…大好きだから…怖くても何度も勇気を振り絞って羽京さんに声をかけたのに…

なんで…そんな勝手に嫌いだなんて言うの…
嫌いだって勝手に決めつけるの…

悲しみから怒りに変わりボクの中の何か線の様なものが切れた。

「ボクは嫌なんかじゃない！！」

初めて聞く自分の怒鳴る様な大声に自分自身もびっくりしてしまう。
二人もボクの声に驚いていて、一度冷静になり言いたい事をちゃんと伝える。

「羽京さんの事…嫌いだなんて…言ってない………嫌いなのは羽京さんでしょ」

振られた時のことを思い出して悲しくなって泣いてしまうと羽京さんはものすごく戸惑っていた。

「な、な、な、な、な、ななんで僕がAの事が嫌いな事になってるの！？僕そんな事一言も…」

「っーー…言ったじゃないですか！！！『僕以外の誰かに隣にいてもらって』って！！！」