君の心臓の音【Dr.STONE】3.5 (ページ21)

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夕食にAを誘いたいが、龍水と食事を取ろうと思っているなら誘うのは申し訳ないな…

話したいけど、勘違いされたら良くないと思い弓の手入れをする。

Aといない時はいつも何してたか考えるが、思い出せない。

いや、思い出せないのではなく仕事以外の時は常にAの所に行っていたんだと気づく。

A迷惑してたんじゃあ…
プライベートの時間を全部奪ってたって事ないよね…

「う、羽京さん！」
「！」

何故か声が裏返えしながらAが僕のもとに駆け寄ってくる。
何か用事？それとも…何か頼み事か…弓を置いてどうしたのか尋ねる。

「あ、あのっ…」

何かあって僕に声をかけたのでないのか…Aを言葉を詰まらせて俯いてしまう。

「！」

人の視線を感じて展望台を見ると、龍水がこちらをじっと見ていた。

多分話し声は龍水にはここからだは聞こえない。
この状況を見てどう捉えられるか分からない。
Aが僕に対して好意を抱いていると勘違いされたらAの邪魔になってしまう。

「龍水なら今展望台に一人でいるよ」
「えっ…」
「ほら、Aの事気にしてそうだし行っておいでよ」

もしかしたら龍水を探して欲しいと頼みに来たのかもと思い、指を指してAにそう伝える。

「っ…」

チラッと龍水に助けを求める様にAが目を向ける。
そんな目で見られたら男なら誰だって助けたくなるよ…
僕もその一人だ…Aを助けたい。

「羽京さんあのっ…」
「あまり二人でいると恋人だって誤解されるよ」

Aは人との距離感に慣れていなくて、男女の距離感も分かっていない。

ちゃんと距離感を大人として教えてあげないと今後Aが苦労してしまうだろうと思いそう伝える。

応援するって決めてるのに…手伝いをしてると心臓がズキズキ痛む。

これ以上Aの恋を手助けをしてると心が折れそうになるなと弱い自分の心臓をギュッと抑える。