君の心臓の音【Dr.STONE】3.5 (ページ3)

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「いや、貴様だからだA」
「？」
「これだけの食料を他の仕事をこなしながら管理するのは容易ではございません」

灯りをつければ誰にだって任せられる。
わざわざAを指名しているのは絶対的な信頼があるからだと龍水はAの仕事ぶりを見てそう伝える。

「うーん……暇そうなボクに仕事を任せてるだけですよ千空さんは」

ここが出来た当初は千空が管理をしていたとAはもう一度伝える。

「リーダーが今まで管理をしていた仕事を誰でも良いわけがないだろう」
「えっ…」
「俺がリーダーなら信頼できる者に任せる。この貯蔵庫は村の心臓部分だからな」

食料の量を見て村人が贅沢をしなければ冬を越せるほどの食料があると龍水は言い当てる。
皆の命に関わる重要な場所を任せるのに誰でも良い訳がない。

「半端な奴には任せない」

貴様も任せるとしたらそうだろうと仲間の苦労して集めた食材一つ一つを大切にしているAなら分かりはずだと龍水は教える。

「………そうですね。任せるなら…大事にしてくれる人に任せますね」

そう捉えるのも悪くないと教えてくれた龍水にAはお礼を言って一番上の瓶に手を伸ばす。

「これか？」

背伸びをして取ろうとしているAの代わりに龍水が手を伸ばして代わりに瓶を取る。

「重いな、俺が運んでやろう〝丁重にな〟」

その言葉を聞いてAは薄らと笑いお礼を言う。

「あの、ここの暮らしに慣れたらでいいので…そのっ……」
「？」
「フランソワさんにも一緒に管理をお願いしたいと思ってるんですが…」

食材の保管方法に関してはプロのシェフには自分は劣る。

よりよい保管方法を未来に繋げていくためにも、フランソワの力が必要だと無理のない程度で構わないから管理を一緒にして欲しいとAは頼む。

「もちろんでございます。欲しい＝正義です」

そ、そうなのか…とAは日本のことわざの一つなのかと思いながらもお礼を言い、フランソワも管理してくれるならちゃんと瓶や棚に何があるか分かる様に字を書いておくと伝える。

「感謝いたします、よろしくお願い致します」
「こ。こちらこそ、よろしくお願いイタシます…」

一番大きい重い瓶を龍水が持ち、フランソワと一緒にAはパン作りに必要な食材などを持って治療室へと戻る。