君の心臓の音【Dr.STONE】5

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日の出と同時に始まる三つ巴の決戦、場所は“海哭りの崖”と呼ばれる絶壁。

風は強いが、この波の音ならばドローンの作動音は掻き消され相手にはバレない。
しかも霧隠深く上手くラボカーも森に同化している。

自分の様な特殊な瞳を持つ者や、羽京の様な聴覚に優れている者は相手にはいないのもAが侵入の際確認済みだ。

「ギャン」
「来た」

フウタと羽京がいち早く敵がこちらに向かっている事に音で気づき皆に伝える。

「敵の数は150名ほどだと思われます…」

Aはフードを深く被り震える口元を皆と同じ布を付け隠す。

科学王国を殲滅したい石化王国。

石化装置の奪取を目論む科学王国。

石化装置と科学王国もろとも消したいモズ。

三つ巴の最終決戦が今始まる。

「Aはスイカ達と一緒に後ろに」

自分の隣に立っていたAを背後に追いやり、弓に羽京が手を添える。
布陣は金狼を先頭に千空に羽京にクロムが前に出る。

アマリリスや杠Aそしてスイカはあくまでも人数稼ぎ、敵の数に怯えるスイカに大丈夫だと背中をAはさすり、石化装置を投げさせる事が目的だと伝える。

「大丈夫誰も死なせないから」

赤く光る目でAはスイカを見つめそう言って安心させる。

「うううおおおお！！」
「！！」

以前モズに闇討ちされたオオアラシはフード戦士のA達を目の前にすると、歯ぎしりするほどの怒りでソッコーで特攻してきます。

「「ミラクルリベーンジ!!」」
「おい速攻できたぞ！？」
「普通の人なら躊躇しますけどね！！」

ビビり散らかす躊躇もなく速攻で攻撃してくるオオアラシの脳筋ぶりき予想外だと千空達は戸惑うが、「任せろ」と金狼が一人でオオアラシに立ち向かう。


「俺が護る！！」


オオアラシを金郎は足止めし、それを見た後宮の戦士たちは、フード戦士はやはり強いと再認識し警戒する。

「オオアラシ様を援護しろ！！」
「オオアラシ様に続け！！」

金狼に苦戦するオオアラシの援護をしようとする後宮の戦士の一人に、妖術だと脅した戦士がいる事に気づきAは咄嗟に道を塞いで声をかける。


「またお会い出来て嬉しいです」
「なっーーその目！！皆下がれ！！ヤバイ妖術使いだ！！」

霧の中でAは赤い目をギラギラ光らせ後宮の戦士達を脅かし援護の邪魔をする。

「皆さまには申し訳ないのですが…今から酷くつらーい風邪になっていただきますね」
「！？」

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