君の心臓の音【Dr.STONE】5

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「ンッ！」

名前を呼びそうになっているAをコハクが咄嗟に口を手で塞ぎ阻止し、イバラが船の周りを飛び回っていた鳥だと話しているのを聞いてAはフウタが殺されるかもと体を震えさせる。

フウタが囚われてしまった事で、伝達手段が無くなってしまいどうするかで話し合う。

銀狼はラボカーの時のように叫びまくれば伝わるのではと、焦りから雑な作戦を提案する。

そんなことをすればせっかくの潜入が無駄になる。

「A何か案はないか」
「どうしよう…フウタが…早く助けてあげないと…」
「A今は」
「いつ殺されるか…食べようとしてるのかも…フウタがっ…ボクのせいで…」
「しっかりしろ！！！A」
「っーー！！す、すみませんっ…でも…フウタがっ…早く出してあげないと…」


助けを呼ぶフウタの声にAは余計に焦ってしまい、フウタ救出の事で頭をいっぱいにさせ、冷静さを失っていた。

「落ち着け、あれはきっとスパイが潜り込んでいないか探るためだ」

もし下手に逃したら疑われるとコハクは逆に言えば後宮選抜が終わるまでは殺される事はないと伝えAを安心させる。


「そうですね…すみません冷静にならないと…」

Aは首飾りに見立てた笛を吹きフウタに必ず助けに行くからと伝え安心させ大人しくさせる。

「すぐに助けに行くからね…」

近くの茂みに隠れていたスイカはそんなA達を心配しながら手に持っていたラジコンを発動させる。


「！！」

猛スピードでガガガと駆けずり回るラジコンにオオアラシ達ははデカいネズミと勘違いして驚く。

「あれはっ…コハクさん！」
「あぁ」

Aはミニ四駆を捕まえてほしいとコハクに頼む。



「また水をっーー…」

ミニ四駆を捕まえるため激しく動くコハクに頭のコップを落としただろう躾人が来るが、水一滴落としていないことを確認して黙って去る。

「はぁ…」

ソユーズだという確信が欲しいとAはコハクに後宮の真下にある木の根の確認を頼む。


「15秒ほど稼げるか」
「15秒ですね、わかりました」
「分かったわ」


アマリリスとAは早速仕掛ける。
アマリリスはオオアラシに近づくと「たくましくてスゴイ腕」と鍛えられた腕に触れ気を良くする言葉をかけ周囲の警戒を緩ませる。


「あっ、あのっ頭のコップを落とさない様に誰か…逞しい方…手を貸していただけませんか…」

Aも他の戦士たちに興味があるフリをして近づき、偽乳を揺らすよう動き戦士二人の手を握る。

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