君の心臓の音【Dr.STONE】5

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「フウタスイカちゃんをお願い」

スイカが甲板でゴロゴロと転がって戦士たちの陽動を続けている事に気づき、スイカの元にフウタを向かわせ援護を頼む。

「っーーもぉ！！」

右足が上手く上がらないこのにAは苛立ちながらも急いでジョッキアップを上げに船内に入り、ラボカーへ身を潜めながら向かう。

「スイカちゃんお役に立ってます！」

猛獣よけのカモフラージュとして作った迷彩カバーを既にスイカが被せており、Aは一緒に来てくれた事を感謝しながらジョッキアップのハンドルに手をかける。


「んぅっーーー！！」


ハンドルは揺れる船でしっかりと固定するために硬く作られており、パワーチームに任せるつもりで作られたジャッキアップは貧弱なA1人ではピクリとも動かない。

ガコンッゴゴロコロガコッ

真上から暴れ狂う音が聞こえ必死にAはハンドルを動かすが…

「もぉっ！！」

作成したとは誰だとこんな硬いの動かさないと何かテコの原理でも使って動かせないかと考える。


スイカの体力や危険を考えれば分解なんてしてる暇はない。
自分の非力さにAは憎みながらも必死に体重をかけ動けと願う。

「っ〜〜ーーー！！！！動いて！！！！」


全体重をハンドルに押し付け動けと顔を真っ赤にして叫ぶと、ロックが当然解除されたかの様にハンドルが軽くなり動くのでAは驚いて硬く閉じていた目を開ける。

「！？」

自分の隣にハンドルを持って必死に一人でジョッキアップを動かす銀狼の姿がありAは逃げ出さなかったのかと銀狼の名前を嬉しそうに呼ぶ。

「僕が上げるから！！Aはラボカーに入って！！」
「は、はい！」


無免許のAはどうラボカーを操縦すればいいのか分からないが、ゲンがスチームゴリラ号を操縦していた時の映像を思い浮かべ見様見真似で操縦の練習をする。


「た、た、たっ…ぶん！！大丈夫！！こ、こういうのは気持ちが…大切だって言ってたし！！」


ゲンがそう言ってたと水泳訓練を思い出して自分に大丈夫だと言い聞かせ、薬棚から硝酸カリウムと砂糖を取り出し調合を始める。

「出来た！」

一人で銀狼は必死にジャッキアップを動かして荷台を移動させついに甲板にラボカーが姿を現す。

「なんだこりゃあ！！」

スイカの被り物を持った敵を見てAは咄嗟にスイカと名前を呼んでしまいそうになるが、ここで人が生存していると気付かれたら逃げれたとして厄介な事に気づく。

「A」

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