勝利 ページ46
「喜ぶのはまだはやぇ、速攻で火薬作るぞ」
「はい!」
湧き上がる喜びをグッと噛み締めて、急いで戦車の中から用意していた硫黄と炭を既に混ぜた瓶をAは千空と取り出す。
「ギャンギャン!!!!」
「!?」
聞いた事のないフウタの荒ぶった鳴き声にAは千空と急いで戦車から出る。
嫌な予感がAの全身を襲う。
「逃げてくれ!!」
「!?」
羽京の言葉に司達がこちらに向かっている事に気づく。
どうしてこんなに早くバレたんだ…
最初の爆発音が聞こえていたとしてもくるの速さすぎる。
「逃げろ!!みんなっーーーー!!」
羽京から聞いた事のない焦りと悲鳴まじりな声に戸惑うAに衝撃が走る。
「ッーーーーーー!!!」
木の上にいた羽京が何者かに襲われ、Aとそして隣で瓶を持っていた千空に羽京は勢いよく飛ばされる。
「ゲッホっ…ゲッホ…」
大事な火薬の元になる瓶を落とししまい薬品が舞い上がり、咳き込みながらもAは体を咄嗟に起こす。
「っー!!」
地面につけた手に人肌ほどの生暖かい体液が付着し咄嗟に自分の手を見る。
「千空さん!!無事ですか!?」
自分の手につく血の量を見てAは救命処置がすぐに必要だと焦り千空に声をかけるが返事がない。
黒煙が落ち着くと共に自分のすぐ隣で千空ではなく、羽京が血を流して倒れているのが見えAは顔を真っ青にさせる。
「羽京さんっ!!!!!!」
名前を何度もAが呼ぶが羽京からの返事はない。
横たわる羽京を仰向けにし左の胸あたりから出血しているのに気づきAはポーチから布を取り出し傷口を体重をかけて抑える。
「っー…」
羽京の傷口を押さえている布にポタポタとAの顔から血が垂れる。
自分の怪我の痛みも感じる暇もなく羽京を助ける事でAの頭はいっぱいだった。
「本能的に理解したようですね」
「!!」
氷の様な冷たく硬い声にビクッとAの肩が跳ね咄嗟に声のした方を見ると、血が付いた槍を氷月が羽京が立っていた木の上で握りしめていた。
「たった今、科学王国の勝機が完全に潰えたことを」
「っーーー!!」
「テメェはそのまま羽京の処置してろ」
咳き込みながらも千空は起き上がると、司と友達の様に普通に会話をする。
「よぉ、司久しぶりじゃねぇか」
「やぁ千空、うん、君を二度もこの手にかけなくちゃならないのは悲しいな」
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クリーム(プロフ) - 天月 リーズさん» どのパスワードでしょうか!?ドクターストーンはただいま作成中でございますのでもうしばらくお待ちいただけると助かります!他の作品は…いつか…書き直して外しますのでお待ちください! (8月11日 21時) (レス) id: 58b85f6ce7 (このIDを非表示/違反報告)
天月 リーズ(プロフ) - パスワードを教えていただけますでしょうか。 (8月10日 9時) (レス) id: 3a5ca4d55b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クリーム | 作成日時:2022年7月1日 18時