初めての音 ページ9
心臓の音…？何を言っているんだ…この人…
「僕耳が良くてこのぐらいの距離なら心音が聞き取れるんだよ」
「えっ！？」
「でもっ…フッ…君のさっきまでの心音は…多分一般の人でも聞き取れるぐらいだよ…ッフフ」
凄く笑われている…
今のこの心音も聞かれてるのか…
そう思うと余計に心臓が激しく動いてしまい焦る。
お腹の音を聞かれているような恥ずかしさに自分の顔が熱くなる。
落ち着け落ち着け…
そう焦るほどに心臓が動き出すので、胸をギュッと掴み無理やり止めさせようとするボクを見て羽京さんは余計に笑う。
「そんな事で止まらないよ！？ハハハっ君面白いね」
「っーーー///」
分かってるけど！分かっていたけど…！！
ついやってしまった自分がそして指摘された事が恥ずかしく言葉が出ない。
「ごめん、沢山笑っちゃって！バカにはしてないんだよ？ただ…ふふっ」
してる…
この人絶対にボクをバカにしてる！！
「あ、あの！！な、なんのようで！ここにきたんですか！！」
話を誤魔化す様に咄嗟にそう聞くと穏やかだった空気が一変する。
「単刀直入に聞くね」
さっきまで笑っていた羽京さんは声色を変えて真顔でボクを見るので銃を向けられた時の様な緊張感に襲われる。
何を聞きたいんだ…
もしかして…ボクの事この人…
「千空と会った？」
「えっ！？」
そんな質問かとホッとすると羽京さんはまたさっきと同じ様に柔らかい表情に変わる。
「その様子じゃあ、まだ会ってないんだね」
「は、はいっ…すみません」
まだ会ってない…？
病で出て行った人なのに生きてる事が確信してるみたいだ…仲間だからそれは当然か…
だけど…なんで会っていないと分かってホッとしたんだろ。
「君が謝る必要ないよ」
羽京さんは誰かに合図でも送る様に不意に帽子のツバに触れた。
茂みに誰かいるのか…羽京さんの目線の先に顔を向けようとしたが、突然頬を掴まれ阻止され驚きのあまり言葉を失う。
「ススが頬についてたから」
髪の毛を逆立てて驚くボクに羽京さんはまた笑いながら「やっぱり野良猫見たいだね君は」と言って手で軽く頬を優しく撫でられる。
「っ……」
他人に頬を触れられたこともなければ、こんな近くで顔を見つめられた事も初めてで…緊張でどんどん体が熱くなる。
「君…少し熱いよ？熱でもあるんじゃあ…」
「I had a fever but now I'm fine…」
息がかかるほどの距離に動揺し英語で答えてしまい、本当に大丈夫かと頬をもたれたままコツンと額を合わせられ体温を調べられる。
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クリーム(プロフ) - しずくさん» 読んでいただきありがとうございます。パスワードがある物は全て工事中で、現在投稿してるところまでが最新となっております！大変ご迷惑おかけしてます💦 (5月24日 20時) (
レス) id: 58b85f6ce7 (このIDを非表示/違反報告)
しずく(プロフ) - 君の心臓の音のパスワードを教えてくれないでしょうか？ (5月20日 14時) (レス) id: 451af3e4e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クリーム | 作成日時：2022年6月16日 1時
