裏切り ページ38
「その人もボクと同じで！！羽京さんに人殺しなんて思ってほしくなかったんです！！大切な人だから！！」
絶対！絶対に…！！！！と何度もAは涙をこぼしながら僕は人殺しじゃないと伝え続ける。
『自分を人殺しなんて言うな羽京』
「！！」
アイツの声がAの声と重なった。
「っーーー助けたかった……」
「…」
「敵でも…裏切り者でも…死んでほしくなった……助けたかった……」
アイツが近くにいる様な気がして…ずっと言いたかったのに言えなかった言葉が口からスッと出た。
ポロポロと涙を落として、救えなかった悔しさでアレ以来言えてなかったアイツの名前を何度も口にして謝っていた。
「大事な僕らの仲間だったのにっ……ごめん…本当にごめんっ…友達なのに気づいてあげられなくて…ごめんっ…」
鼻を啜って帽子を深くかぶって…大の大人が大泣きしてる姿にAは何も言わずに頬に垂れるボクの涙を一生懸命に拭いてくれた。
「羽京さんは人殺しなんかじゃない…」
この戦いで犠牲者を出さずに終わらせるとAは千空達とそう約束したと話してくれた。
「ボクは全人類を救いたい…羽京さんもその一人です」
僕の服をギュッと掴んで「助けたい」と思いを伝えてくれるAにまた泣きそうになる。
「羽京さんが自分を責めて苦しむ姿や…辛そうな顔は…もう見たくないから…絶対に助けます…だから…少しだけボクに力を…くれませんか…」
「えっ…」
本当は…怖くて不安で…手に力が入らないとAは僕を見つめそうお願いする。
「僕にできる事ならなんでもするよ」
「また…抱きついても…いいですか」
「へっ！？」
「ダメですか…」
「っーー…」
聞き間違えてはなかったみたいだ…
こんな事で本当に勇気なんて出るのかと思いながらも手を広げる。
「おいで」
そう優しく言うとAは嬉しそうにまるで親に甘える子供の様に勢いよく僕の胸に飛び込んでくる。
「羽京さんだいすきですっ…」
そのダイスキと言う言葉からは、恋愛感情ではなく人としての言葉だとAの心音や仕草で分かった。
「僕も君が好きだよA」
優しい純粋な子に僕は…抱いてはいけない感情をまた抱きそうになる。
強く優しくAを包むが、優しくAの心音に自分が包まれ安心しているのが分かる。
千空たちの仲間になるなら…もう毎日のようには会えない。
僕を待ってくれていた時Aはこんな気持ちだったのかとまだ離れてもいないのに寂しいさが募る。
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クリーム(プロフ) - しずくさん» 読んでいただきありがとうございます。パスワードがある物は全て工事中で、現在投稿してるところまでが最新となっております！大変ご迷惑おかけしてます💦 (5月24日 20時) (
レス) id: 58b85f6ce7 (このIDを非表示/違反報告)
しずく(プロフ) - 君の心臓の音のパスワードを教えてくれないでしょうか？ (5月20日 14時) (レス) id: 451af3e4e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クリーム | 作成日時：2022年6月16日 1時
