絆 ページ25
「助っけ…！？」
梟が黒曜石を嘴で突っつき手まで運んでくれる。
偶然かそれとも理解してたのか…
驚きながらもガシッと黒曜石を掴んで蛇の体に突き刺さすがっ…
「う"っーーーー！！」
怯むどころか、むしろ締め付けが強くなり圧迫し吐きそうになっていると、梟がツンツンと必死に蛇の体に嘴で攻撃をして助けようとしてくれる。
が…そんなんじゃあっ…
「うっ…君は逃げて」
このままでは肋が折られる…
もうだめだと諦めた時バサバサと何かがこちらに向かって飛んで来て蛇に襲い掛かった。
「！？」
先程の梟群が蛇に襲い掛かって目を狙って突っつき蛇が怯み締め付けが緩くなる。
「っーーー…！！」
もう一度蛇に黒曜石を向ける。
今度は喉に突き刺すと咥えていた腕をようやく離してくれ気管に刺さったのか…どんどん締め付ける力は弱くなり生き絶える。
「よ、…良かったっ…」
やっぱり飛べない梟の家族なのか…
死んだ蛇を確認すると梟達はお互いに寄り添いボクを見る。
「あ、ありがとう…ございます…助けてくれて」
この子たちにはどう見えてるのか…
蛇に襲われる間抜けな人間見えたのか…
それとも家族助けてくれた人間と理解したのか…
どちらにせよ助けてもらった事には変わりなく、お礼を言うとまた何処かに飛んで行ってしまった。
「…やっぱり君は飛べないんだね…」
一人取り残された梟は家族を見つめていた。
「飛べたらきっと家族がまた迎えに来てくれますよ…それまで一緒にガンバロ」
飛んでしまう家族を寂しそうに見つめる梟と、自分と重なってしまったのか…
そう不慣れな日本語で語りかけながら疲れて蛇と一緒に倒れる。
もう一歩も動けないぐらい疲れた…
体が痛いし…だるい…噛まれた腕凄く痛い…
ちゃんと消毒しないと…蛇って狂犬病とか持ってないよね…
「ｷｬﾝｯ」
「あっ…君のご飯あの袋に入れてたんだけど…って言っても分からないですよね」
せっかく捕まえたのに袋から全部逃げてる…
お腹空かせているだろうに…
倒れて動けないボクをじっと梟は見つめ首元で体を休める。
「…あったかいね君」
暖をとってくれているのか…それとも励ましてくれてるのか…手を伸ばすと噛まれていたのに…
戦友とでも思ったのか…頭を撫でさせてくれる。
「あの時石取ってくれてありがとう…そうだ…君の名前…呼ぶときに困るから…どうしようかな…フウ太なんてどうですか…」
そう聞くと小さく鳴いて返事をしてくれ、始めて梟と会話したみたいで笑った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 174人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
クリーム(プロフ) - しずくさん» 読んでいただきありがとうございます。パスワードがある物は全て工事中で、現在投稿してるところまでが最新となっております！大変ご迷惑おかけしてます💦 (5月24日 20時) (
レス) id: 58b85f6ce7 (このIDを非表示/違反報告)
しずく(プロフ) - 君の心臓の音のパスワードを教えてくれないでしょうか？ (5月20日 14時) (レス) id: 451af3e4e7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：クリーム | 作成日時：2022年6月16日 1時
