転生したら美少女でした【ハイキュー】 (ページ15)

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『･･･え、ここどこ？』

見渡す限り真っ白。

雪とかそんなんじゃない。

どこか不安を感じる白。

緊張感が揺さぶられた。

踏切の音が頭のなかで鳴った。

？「･･･はじめまして」

『！？』

声がしたのだ。

その声は今世の私にそっくりだった。

つまり深鐘ちゃんの声である。

振り返らなくても分かる。

『あなたが、深鐘ちゃん？』

深「そう。私が深鐘だよ」

『ここってどこ？』

深「う～ん、私もよく分からないの。気を失ったらここにいた」

気を失っ･･･深鐘ちゃんは、死んだことに気付いてない？

深「多分ね、私、死んだの。でもね、私の体は生きてた」

『そこに･･･』

深「そう。あなたがいたの。入れ替わりでもなさそうだし、あなたの体になったんだと思った」

『ここは、死後の世界なの？』

深「死後なのかなぁ？だったらあなたは何で居るの？･･･って話になるからねぇ」

『深鐘ちゃんは私のことが見えてたの？』

深「うん。死んだ後、ここにいて、私の体を鏡で驚きながら見てるあなたが見えた。ずっとあなたが見えてた」

深「同じ体なのに全く違った。明るくて、皆にかこまれてて･･･」

深「私には、違う人に見えた。でも嫌いになれなかった。羨ましかったし、ちょっと妬ましかった。でも･･･」

深「あなたは私のことを考えてくれてた」

『深鐘ちゃんの体に入って、驚いたの。とってもかわいいからさ、でもね、深鐘ちゃんの体に入れたのは深鐘ちゃんが苦しんで苦しんで出した答えがあったからだった』

深「うん。私が出した答えは死ぬことだった。怖かったし、何度も怖じけずいて出来なかった。死ねなかった」

深「でも生きていたくなかった、と同時に死にたくなかったの。でも生きているのは辛いから、もう来世に期待して楽になろうって思った」

『ごめん、ごめんね。私、美少女に転生できたって喜んで、ふざけて、楽しんでたの。深鐘ちゃんはこんなに辛い思いをしたのに。でもね深鐘ちゃん、気持ちは変わってないの？』

深「え？」

『まだ生きたくない？･･･私ね、もういっぱい生きたよ。何度も生きたよ。でも死は怖い。でも生きるのは楽しい！楽しいことの方が少ないし、嫌なことばっかりだよね。それでも、生きてさえいれば･･･』

深「生きてさえいればいつかは幸せになれる？無理だよ、私には、そのいつかは訪れない」

『ううん。違う。いつかを待つんじゃない』

深「！？」

『いつかをつかみに行こう！』