「SVT×TXT」ポスターからイケメンが失踪？ (ページ2)

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カーテンの隙間から陽の光が私の頬に温もりをもたらす。

いつもどおりに3度寝を終え、体を起こす。

あれ、いつもと同じイケメンパワーを感じない。

嫌な予感がして、目を剛田様ポスターの方に目を向ける。

居ない。

剛田様ポスターに剛田様が居ない？！

え、どういうこと？なんかただの、背景になってるし。

どうしよう！どうしよう！え、探す？

ポスターの中身なんか探せんの？

母「ちょっと早くしなさい～。沙絵ちゃん待ってるわよ～。」

やべ、早くしなきゃ。

とりあえず、ポスターのことは後で考えよう。

急いで少しシワのついたスカートの丈が長い制服を着て、キューティクルのない真っ黒な髪の毛を結って急いで玄関をでていく。

「ごめん、、寝坊した。おはよう。」

沙絵「おはよ、もう慣れてるから大丈夫だよ。」

落ち着いた声色で話す沙絵は今日も可愛い。

小学校ほど会話は続かないけど、1日の中の剛田様とご飯の次に好きな時間だ。

彼氏との状況を聞いてみると、

「まぁーぼちぼちかな。」

と、答えてはいるが耳は真っ赤な可愛い奴だ。

もちろん隣で歩いてれば、顔の良し悪しを比べられることなんて、しょっちゅうだけど、今さら別になんとも思わない。

なんて、言ったら少し嘘になる。

去年好きだった先輩に陰で、

「1年の沙絵ちゃんってかわいいよな、」

「でもその、隣にいる奴はブスじゃね？」

「確かにブスだな。オレは絶対ないわー。」

なんて会話を聞いたときは、中々立ち直れなかった、、、

そこから、当時からめちゃくちゃ人気だった剛田様にハマっていって、

ああ、やっぱり剛田様を拝まないと今日1日生きていけない。

沙絵「今日そういえばA図書当番じゃない？」

「うわ、そうだった、、、」

沙絵「ボムギュはちゃんとやってんの？」

「やってないね。来てもないし、まあじゃんけんで負けていやいやなった委員会だし、それに女子が私だし。」

昼休みなんか当番放っておいて、女の子たちに愛嬌振り撒いてるだけだろ。

ボムギュも幼なじみだが、中学からは本人に向かって名前を呼んでないし、呼ばれてもない。

当番は二人きりだから来てくれない方がのびのびできる。

嫌なことを考えながら、教室に入り、なるべく静かに座る。