__救出 ページ44
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「A！どこだ！！」
さっきから必死に呼び掛けているのだが、何の
反応もない。
それどころか どんどん炎が広がっている。
俺の心は、少しずつ焦りに支配されていった。
まさか、もう……。
そう考えかけたが、首を振る。
そんな考えを頭から消すように、エクスカリバーで壁を切って次の部屋へ進む。
その部屋に広がる光景を見た瞬間、俺は大きく呼吸を乱した。
「…A…？」
そこにいたのは、焼けかけた消防服に身を包んだAだった。
「Aッ！！」
慌てて駆け寄る。
第二世代だからか、服は燃えても体は何とか
無事なようだった。
「よかった、息はあるな…。」
とは言え、とても弱々しい呼吸をしている。
早くここから出なければ…！
そう思って、Aを抱えたときだった。
『…アー、サー…？』
「A！！」
Aが微かに目を開け、俺を呼んだ。
『アーサー、来てくれたんだ……』
「あぁ、当たり前だろ。」
『ありがとう……でも私…たぶん、もう……』
「…お前、喉苦しいだろ。あまり喋らない方が
いいぞ。」
Aの言わんとすることはすぐに分かった。
でも、そんな言葉は口に出してほしくない。
「！！」
その時、床が揺れて天井から木屑が落ちた。
…もうすぐ崩れるな。
「とにかく脱出するぞ。掴まってろよ。
大丈夫…俺が絶対に助けてやるから。」
『ありがとう……』
エクスカリバーで壁を裂き、道を作る。
進路を見つけた俺は、家が崩れる直前に外へと
出たのだった。
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作者名：九陽 | 作成日時：2020年9月21日 9時
