騎士王と姫【炎炎ノ消防隊】 (ページ5)

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__優美で柔らかでページ5

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「ハァ……」

森羅「おいアーサー！
お前事務のとき死んだような顔すんのやめろ！
こっちの士気が下がるっつの…。」

「……。」

俺たちは今、事務処理をしている。

本当はAの案内をしたかったのだが、
中隊長に事務をしろと言われてしまったのだから仕方がない。

……いや、とは言え何故騎士王が雑務など……。

森羅「お前はあと１枚だろ？事務なんかさっさと終わらせて、Aんとこ行こうぜ。」

「…あぁ。」

それから、(かれこれ30分くらいかかったが)
何とか残りの１枚を終わらせる。

「終わった…。」

森羅「疲れたな。Aに会いに行く前に少し
休むか？」

何て会話をしていたときだった。

「！！」

どこからか、柔らかな音が聴こえた。

森羅「おい、アーサー！」

───Aだ。

そう思った俺は、部屋を飛び出して礼拝堂へと向かった。

────────

「A……。」

礼拝堂に入り、Aに声をかけようと思ったのだが、まだ音楽が鳴っていたので声を潜める。

……穏やかで、甘い音。

それと、ステンドグラスを通した日の光に
照らされたA。

思わず見入ってしまう。

『…！アーサー！！』

演奏を終え、こちらに気づいたAが俺に
話しかけた。

『びっくりした…。いつから居たの？
全然気がつかなかったよ。』

「あ、あぁ。さっきからだ。…その曲は？」

『ショパンのノクターン第２番。有名だから
聴いたことあったんじゃないかな。』

ショパン…。

俺は音楽の事をよく知らないから分からないが、綺麗な曲だと思った。

森羅「ピアノの音はやっぱりお前だったのか！
すげーな！」

茉希「本当に綺麗な曲ね…！」

アイリス「また聴かせてください！」

皆がAを褒め称えている。

もちろん俺も同感だ。

火縄「夕食の用意ができた。食べるぞ。」

『分かりました！』

茉希「今日は中隊長が食事当番なんですね！」

アイリス「火縄中隊長は、料理がとてもお上手
なんですよ！」

『そうなんですか！楽しみです！』

そんな会話をする皆について、俺も食堂へ
向かった。

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