騎士王と姫【炎炎ノ消防隊】 (ページ40)

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__よい夢をページ40

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アーサー「停電か。……A？」

『あ……ごめん、なさ……』

雷と停電に驚き、私は思わずアーサーの腕を
掴んでいたのだ。

『ごめんねアーサー……
私、雨とか雷とかが駄目で…今日も眠れなくて、
それで部屋を出て来たんだけど……』

自分でも分かるくらい、声が震えていた。

消防官なのにこんなに弱いだなんて…。

そう思っていると、ふっと視界が明るくなった。

アーサーがプラズマを出してくれたのだ。

アーサー「…これなら安心できるか？」

普段のエクスカリバーとは違い、小さな
エクスカリバーだ。

おかげで懐中電灯代わりになる。

『あ、ありがとう…』

私がまだ不安そうに答えると、アーサーは私の
手を掴んで歩きだした。

『！？アーサー、どこに…！』

アーサー「お前の部屋だ。」

『なっ…、は！？』

だがアーサーはそれ以上答えずに歩き続け、遂に私の部屋で辿り着いたのだった｡

アーサー「ふッ、この間お前の部屋に来た事が
あるが、入るのは初めてだな。」

…何でそんなに冷静なんだか…！！

私は女子会の事を思い出したりアーサーを意識
したりで、茉希さんさながらに脳内お花乙女畑
なのに…！

しかしそんな私の事は露知らず、アーサーは
ベッドに腰かけた。

手を引かれたままなので、もちろん私もベッドに座る。

『あの、アーサー……』

アーサー「…もう大丈夫だ。」

『え…？』

アーサー「雨も雷も、もう気にしなくていい。
お前が眠るまで、俺がここに居てやるから。」

そう言って、アーサーは私の頭を撫でた。

その手はとても暖かくて安心する。

ふとアーサーの目を見ると、とても優しい目を
していた。

能力発動時には、エクスカリバーの色と同じように青く光る目。

私はその目が好きだ。

アーサー「おやすみ、A。…よい夢を。」

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「眠ったな…。」

Aは俺の肩にもたれ、静かに寝息を立てている。

俺は、そんなAをそっとベッドに寝かせた。

「お前は、雷が苦手なのか…。」

Aが泣いているところなんて初めて見たが、これでもう大丈夫だろう。

「A、また明日な。」

雨は、いつの間にか止んでいた。

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