騎士王と姫【炎炎ノ消防隊】 (ページ39)

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雨の夜ページ39

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茉希「今日は焰ビトの発生もなく、平和な１日
でしたね…。」

『私達もゆっくりできました。……あっ。』

ふと窓を見ると、薄暗い外では雨が降り始めて
いた。

茉希「そう言えば天気予報で、夜は雷雨になる
かもしれないと言っていましたっけ。」

『雷雨、ですか…。』

と言うのも、私は小さい頃から雷や大雨が苦手で、未だに克服できていないのだ。

アイリス「皆さん、夕食の準備ができました！」

茉希「ありがとうございます！
……A、行きましょう！」

『はい！』

夕食後にテレビを見ると、明日はまた晴れる
予報だった。

不安は拭えていないが、私は自室に戻って眠る
事にした。

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『…やっぱり、どうにも眠れない…。』

雨が窓に打ち付ける音や雷の音、そして稲光。

予想はしていたが、やはり眠れないのだ。

『！！また…！』

空が光り、雷の音が鳴る。

思わず目を閉じて耳を塞いだ。

…このまま部屋に居ても、きっと眠れないん
だろうな…。

それならいっそ部屋から出ようと思い、私は
部屋の扉を開けて廊下に出たのだった。

『眩し…。』

廊下は電球が煌々としていたが、真っ暗な中に
いるよりはましだった。

まぁ、廊下に出てどうするのかという問題では
あるのだけれど。

どうしようかと考えていたその時……

アーサー「…A？」

『アー、サー…。』

何と、廊下でアーサーに出会ったのだ。

アーサー「こんなところでどうした。
それにお前……泣いてる、のか？」

『え…あ、これは、その…！！』

自分でも気がつかなかったのだが、私の目元には涙が滲んでいた。

しかし17歳になってまで雷が怖いだなんて、
どう思われるか分からない。

はっきりとは言えなかった。

『…そういえば、アーサーは何でここに？』

アーサー「あぁ、中隊長に書類の整理を頼まれ
てな。今終わったところだ。」

遅くまで大変だね、そう声をかけようとしたのだが……

『───ッ！！』

一際大きな雷が鳴る。

そして突然、教会内は真っ暗になってしまった。

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