Rabbits student / Kne* ページ4
×リクエスト誠に有難うございました。
「はーい!」
「お、お前、誰だ……!」
健康観察で一際元気に返事する彼に教室が凍り付いた。たっぷりと10秒掛けて教師が漸く震えた声で誰何した。不審感と恐怖感に教室内が包まれるが、彼はただにこにこと穏やかさを配合した微笑みを漏らすばかりで一向に答える気は無いらしい。ぷるぷると潤った薄く形の良い唇はアルカイックを語るばかり。
「か、なえ……?」
「おはよう、Aちゃん。」
彼は己に注目が集まっていることすら忘れる様に甘く朗らかに私へ挨拶した。本来其処に座っているべき気に食わない青少年はおらず、彼が占領していた。夢に迄見た光景が其処にあった。彼は私を安心させると漸く振り向いて教師の方を見た。私も思わず彼の視線を追う。
「その誰、って何を聞いてんの?名前?それともステータス?むつかしい事は説明するか例を示して。センセイ?だっけ。僕、学校識らないからお前がなんなのか分かんないけど。それともお前も知らない感じかな?いや。知ってるよね。知ってて知らないふりするんだっけ。オトナってよく分かんないから嫌い。」
彼はこの学校の制服を着て変装する事で違和感を消していた。彼は席から立ち上がるとつかつかと教師に歩み寄ってゆく。普通に歩いて教師の前に立とうとしている様に見えた。意味不明なプレゼンをしながらにこにこと歩く様子はいっそ異様の一言で隔離してしまいたい症状に駆られる。閉鎖的な空気感が教室を押し殺していた。
「なんか生きてるだけで苛々するから要らないよね。」
「……っひ、」
音なんかしなかった。彼が怯える教師の襯衣の襟を乱暴に掴むと右手を横一文字に勢いよく振った。一拍遅れて黒板に赤が飛び散った。朝焼けの地平線の如き赤。人生真っ当に生きていたら決して目にする事の無い贅沢な赤である。水分が蒸発した様な掠れた悲鳴が誰かの喉から放たれた。
「Aちゃん。ほら、死んだよ。」
「わ、!」
彼はそう告げて摘んだ花が萎れて気に入らなくなったからと棄てる幼子の様に教師を教壇の下に打ち捨てた。教師は首からしたしたと血液を滴らせている。彼はあら、といった顔をして斃れた教師の反対側を斬りつけた。びゅー、びゅー、と鼓動に合わせて赤い血潮が噴き出している。
Rabbits student / Kne*→←麝香の口付け/ N.Kei
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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鵯(ひよどり)(プロフ) - イズミさん» お初お目にかからせて頂きます。ご愛顧賜れて何よりで御座います。リクエスト承りました。緩慢に連ねておりますので3日〜1週間程お時間頂戴する事、ご承知おきくださいませ。 (2022年11月29日 21時) (レス) id: 9c96610dd1 (このIDを非表示/違反報告)
イズミ(プロフ) - 初コメ失礼致します。鵯様の作品の何とも言えない美しさの虜になった者です。リクエストでskngさんで束縛タイプのヤンデレは可能でしょうか…?その他のシチュエーション等はお任せ致します。 (2022年11月29日 18時) (レス) id: 58fc769308 (このIDを非表示/違反報告)
鵯(ひよどり)(プロフ) - 煙さん» 此方こそ大変有難うございました。そういう表現は旗付きにならない様にする事が出来ませんでした。無念。妄想で補ってくださいませ。大変申し訳ない。微力ながらも精進して参ります。よろしくお願いします。 (2022年11月20日 23時) (レス) id: 9c96610dd1 (このIDを非表示/違反報告)
煙 - リクエスト書いてくださりありがとうございます…!実物の彼はヤンデレチックな素振りをあまり見せないので難しいかなぁと思っていたのですが、見事に解釈一致で助かりました。これからも貴方様の美しい小説を楽しみにしております! (2022年11月20日 22時) (レス) id: 0f6ec90c76 (このIDを非表示/違反報告)
煙 - いつも主様の作品楽しく読ませていただいております。リクエストなのですが、夢主が少し病み気質で手首に傷をつけたりしてしまうタイプで、夢主大好きなkgmさんがおそろいにしたくて真似しちゃうみたいなお話をお願いしたいです。 (2022年11月16日 17時) (レス) @page1 id: 0f6ec90c76 (このIDを非表示/違反報告)
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