【2j3j】通暁リベラル【ヤンデレ】

ドレッシーな執狂/ K.Hyt* ページ27

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「ハ、ヤト……？」
「只今戻りました。お留守番、偉かったですね。」

浪漫の欠片も無いお帰りのハグ。彼女の腕は既にぐちゃぐちゃで花占いを始めてから数時間は経過した後である事が伺える。その血液の滴る様が酷くマジェスティックで、思わずどくどくと瞳孔を灼かれる。傷付いた彼女は、私の為に心を砕く彼女は、何にも代え難いグラツィアの女神だ。

「ほ、んも、の？」
「はい、本物です。疑うなら触れてみて。」

彼女が利き手からペーパーナイフを手放すのを見逃さなかった。違和感がない様に、私に夢中になっている内にそっと回収する。鈍色の愛用品は数万円する物だったが、もう使い物にはならない。血液は美しい彼女の断片。私への愛が血液を流す物であるなら、それを受け取るのは夫の務め。Aの私への愛の証はちゃんと保存してありますよ。Aの手の届かない所へ厳重に。私も出来れば貴女に苦痛を忘れて幸せに居て貰いたい。けれど、偶に。壊れた貴女を見たくなる。

「ぁ。ほ、本物。本物のハヤト。ハヤトが帰って来たぁ！お、おけぇり？お帰りなさい。」
「はい。只今戻りました。お留守番、有難う御座います。良い子で偉かったですね。お土産も沢山買って来ました。二人で一緒に開けましょう。冷凍食品等は後日配送して貰うので、その時に食べましょう。さぁ、手当してご飯を食べましょうか。」

彼女が此方に手を伸ばして頬に触れる。柔らかい掌。私が毎日爪の隙間迄ハンドクリームを塗っているからですかね。彼女の瞳が四百年の寂寞を渦巻かせている。嗚呼、寂しくさせてしまってごめんなさい。左腕に滴る情熱が眩しくて誘惑的だ。今直ぐ此処に唇を寄せたいが、まずは絶対的な私の心には愛を寄せなくては。傷付いていない方の手を掬って中指の先に口付けた。

「救急箱、ダイニングに置いておきました。私は書斎を少し片付けてから直ぐにいきます。」
「うん。待ってる。」

彼女の抉れた左腕からつう、と一筋の赤が流れる。完璧な迄の鮮明に正常が崩された。彼女に刻まれた一文字を見詰めながら思う。

「Aと同じになったらカラダもココロも繋がれますかね。」








×リクエスト、夢主が少し病み気質で手首に傷をつけたりしてしまうタイプで、夢主大好きなkgmさんがおそろいにしたくて真似しちゃうみたいなお話。

曇天橋の上で/ S.Akn→←ドレッシーな執狂/ K.Hyt*

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• 恋愛運: ★★★☆☆
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