最果ては君だった。/ rbr* ページ9
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「……ん？」
「嗚呼、起きたんやな。あの後疲れたんかぐっすり眠ってもうたから。口濯ぎのお水持って来させるな？あと、何か欲しいもんある？」
目を開けると見知らぬ部屋が眼前に飛び込んで来た。彼の顔も、か。彼は絢爛に着飾っていた化粧を落とし、見慣れた服も寝間着と思われる緩い浴衣を着込んでいる。焚かれた香の優しい匂いが鼻先を擽っては抜けてゆく。私が首を傾げればまだ寝惚けていると勘違いされたのか優しく頭を撫でられた。彼に頭を撫でられながら思う。今迄こんなことは無かったと断言する。あの夢を繰り返し見ることはあれど、その続きを見ることは一度とて無かった。あれを見たならすぐに目が覚めて朝が来る筈なのだ。小さなベッドに身を横たえてぐずぐずと寝惚ける朝が。
「あ、れ？まだ夢の中？」
「何言っとるん？面白いなぁ。まだ寝惚けとんのやろ。洗面器に湯を張って持って来させんと。ついでにお着替えもしよか。こないだ仕入れた白い振袖があった筈や。それとも白無垢着てみよか？前合わせとったのが昨日届いとったで。式はもうちょい先やけど合わせるだけ合わせてもええよ。」
彼はくすくすと可笑しいと言わんばかりの様子で笑った。彼は卓を小気味良く3回叩いて女中を呼び出した。障子を隔てた向こうに影が写り、何事か会話している。猫の様な耳と尻尾のようなものが見えて彼女が人間でないことが窺えた。私はその間に夢から抜け出すべく画策することにする。試しに頬を抓るが、驚く程に痛かった。頬を張っても同様に。
「夢、だよね？」
「肌赤うなっとるやん！手拭い冷やして持って来させな。ほんまにもう、Aは世話が焼ける子。」
叩いた方の手と頬を優しく包まれた。酷く痛ましい表情で私を見つめる彼は愛おしいと言わんばかりの愛情を叩きつける。その瞳には確かに度を超えた愛が煮詰まっている。沸騰した狂愛が牙を剥いていた。背筋が凍る程に美しい完璧な微笑みを浮かべた後に彼にそのまま引き寄せられて額に口付けられる。その途端にふわり、と頭に靄が掛かった様な気がした。そう言えば私、何処から来たんだっけ。何もかもが思い出せない。あれ、私、何の夢を見てたっけ。
「おやすみな、あっちのA。」
リクエスト、rbさんとお話を紡いだ後、果たしてこれは夢なのか、否か、といった後味残る不思議な話。
警笛、拍子抜け。/ os,em,kn*→←最果ては君だった。/ rbr*
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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鵯(ひよどり)(プロフ) - 農民さん» 此方こそ大変有難う御座いました。白雪姫はグリム初版より、改変と翻訳を重ねており、様々な白雪姫が出版されています。初版では猟師の面影は無く、私が読み聞かせられたのは家来表記でした。これを機に他の白雪姫と読み比べてみるのもおすすめですよ。 (2021年1月30日 2時) (
レス) id: 72d1a498da (このIDを非表示/違反報告)
農民 - 鵯(ひよどり)さん» リクエストお応え頂きありがとうございます。夢主は純粋が故にtntnさんとの狂愛と相まって狂ってるように見えてすごい好きです…。純粋と狂愛、最後は鏡のように心を写す純粋が堕ちるのでしょうかね…((申し訳ございません格好つけました。長文すいません。 (2021年1月30日 1時) (レス) id: 70d681a1bb (このIDを非表示/違反報告)
農民 - 鵯(ひよどり)さん» なるほど、他作者様が類似作品を書いておられたのですね。こちらこそ確認不足で申し訳ないです。私は描写が変わっても鵯さんの小説が読めれば本望ですので全然大丈夫です。お気遣いありがとうございます。( _ _)ﾍﾟｺｯ (2021年1月26日 22時) (レス) id: 70d681a1bb (このIDを非表示/違反報告)
鵯(ひよどり)(プロフ) - 農民さん» お初お目に罹らせていただきます。不躾低俗極まる野鳥が文認めますお目汚しを看過くださいませ。リクエスト承りました。他作者が類似の作品を書き仰せられている故、一部違いを明瞭化させる描写入ることご承知くださればと思います。暫しお待ちください。 (2021年1月26日 19時) (レス) id: 72d1a498da (このIDを非表示/違反報告)
農民 - グリム童話の『白雪姫』の世界で猟師(tntnさん)が白雪姫(夢主)を森の奥に連れていきますが命を取らずに小屋に閉じ込め、共依存になっていく物を見てみたいです。王子も小人もなしでお願いします。体調等々お気をつけください。長文失礼致しました。 (2021年1月26日 18時) (レス) id: 70d681a1bb (このIDを非表示/違反報告)
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