検索窓
今日:2 hit、昨日:6 hit、合計:6,687 hit

ココに宣言します! ページ30

#



「わ。」


目の前から聞こえてきた声に眉を顰める。声の主は外見は性別迷子、声はがっつり男の娘な彼がいた。如何にもという感じに見えるが真実は知らない。私は今、猛烈に彼と顔を合わせたくなかった。というか目に入れたくなかった。

しかし私は寛大である。世界も広し、心も広し。野外活動という名目の強化合宿、尚、学年行事の一つである。その野外活動も2日目となり、学生諸君は性別関係なしに浮かれているのだからたまったもんじゃない。

「今からカレー作りとやらをするから鍋持ってこいよ」


ワザとらしく吐き捨ててやれば中性的で厭に整った眉目が歪められる。そうしてあっかんべをしてくる。そんな無邪気さも中々に愛らしいのだが、何処か感に触る。

「言われなくても分かってるから。」


ヘーゼルナッツに近い色の瞳を夕陽に反射させてそっぽを向かれる。そうして彼と仲のいい遊人の一人の不健康そうで陰鬱を纏いながらも哀愁の漂う不思議な人と鍋を取りに行った。

「ん?分かった。じゃあ、調理の方は任せるね。」


彼は優しくそう私らに声を掛けた。数人の女子が頰を赤らめている。今の流行りはミステリアス系なのだろうか。後ろから彼を急かしてふざけ合いっこしながら歩いていく様を流し目で見送った。

そうしていると班分けで同じになった可愛らしい女子から声をかけられた。彼女は無邪気に笑いながら、女の子が食いつくようなベタな質問をしてきた。

「あの2人、仲良いね。どっちを見てたの?」


細められた彼女の瞳には純粋な疑問だけが浮かんでおり、誰かを貶めようとか騒ぎ立てようとか野次特有の嗜虐心が見えなかった。

「彼とは小学校以前からの仲でしょう?幼馴染って聞いているけど。」


心の中で肯定する。ああ。そうだ。彼とは小学校以前からずっと仲良し?の幼馴染だ。女子とは目鼻の先の流行が大好きな生き物である。個人差はあるだろうが。私はそれとなく、自身の恋路が彼女の流行(ブーム)にならないようにそれとなく逸らした。

こういう恋愛事情について相手に尋ねる場合は話すネタがないときか、自分がその話をしたいのかのどちらかに区分される。今回の場合は後者だろう。昔から女子同士の付き合いには慣れているから分かるのだ。




next→

ココに宣言します!→←福は何処に


  • 金 運: ★☆☆☆☆
  • 恋愛運: ★★★☆☆
  • 健康運: ★★★★★
  • 全体運: ★★★☆☆


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.7/10 (7 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2人がお気に入り
設定タグ:恋愛アリ , 闇、病みアリ , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(´・ω・`)Love(プロフ) - 鵯さん» リクエスト消化してくださりありがとうございます!流石鵯さま、期待以上のお話が読めて嬉しい限りです。良ければまたリクエストさせてくださいね。ありがとうございました! (2017年12月29日 19時) (レス) id: e516045fa3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - (´・ω・`)Loveさん» 大丈夫ですよ。ありがとうございます。気長にお待ちくださいませ。 (2017年12月28日 21時) (レス) id: 10532b6a12 (このIDを非表示/違反報告)
(´・ω・`)Love(プロフ) - 鵯のさえずりというページは消されたみたいですけど、リクエストってまだ受け付けてますか?もし大丈夫でしたら飴の出てくるほのぼのとしたお話が読みたいです!……こ、こういうリクエストも平気ですか? (2017年12月28日 10時) (レス) id: e516045fa3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2017年12月20日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。