努力と無理は別物 ページ23
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ジリジリと時計の進む歯車の音と低い唸り声を上げる炬燵のファン以外は生活音の無いこの室内にカリカリと机を引っ掻く音が木霊する。早朝だというのにやけに静かだ。書類の欄に文字を書き連ねながら、靄のかかる頭と視界に叱咤しながら軽くまばたきをした。
カリカリと木霊する音に辟易としたところでペンをインクが垂れないように置く。細かい字を延々と見続けていたことで目頭に痛みが走る。集中の証ではあるが、あまり好きでは無い。
軽く指で揉みほぐし、右斜め前に配置している、白磁のコーヒーカップに手を伸ばした。一口喉に流し込むと案外、喉が渇いていたのかそのまま喉にがぶがぶと流し込んでしまった。淹れてから大層時間が経っていたらしく、口には生温い嫌悪感が広がる。
「淹れなおすか。」
渇いた声帯が久しく音を振るわせる。耳に響く自身の声はどこか疲れ果てていた。独り言を呟かないとやっていられないあたり、相当限界が来ているらしい。
じわじわと光の侵食し始めた室内を見ながら徹夜を今晩もしてしまったことに溜息を吐く。鉛のように重い身体に鞭を打ち、久しぶりに身体を伸ばしてみる。凝り固まった関節が不自然にリズミカルな音を鳴らした。
肩と腰を回して立ち上がる。先程よりも何割か大きめな関節の折れる音を無視して飲み干したコーヒーカップとともに自身の仕事場である、執務室を後にした。
光の具合で朝かはたまた夕かは普通ならば判断しかねるだろうが、24時間表示する時計では朝の時刻を指しているので恐らく、朝だ。窓から差し込む青紫の光を透かしながら、飴色を通り越して青黒くなった年季の感じられる床を軍靴で踏みしめて、給湯室へ向かう。
「おーい！！」
背後から一際甲高い声が脳にダイレクトにハウリングする。若干の耳鳴りを感じながらも廊下にハウリングした耳をつんざく、声のボルテージを間違えた男がそこに立っていた。
何徹したかも把握できていない霞みがかった脳では彼をうまく認識できない。甲高いハンドベルのように発された彼の声に少しだけ眉が動く。他意はない。反射的に、だ。
そちらを向けば、元気
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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(´・ω・`)Love(プロフ) - 鵯さん» リクエスト消化してくださりありがとうございます！流石鵯さま、期待以上のお話が読めて嬉しい限りです。良ければまたリクエストさせてくださいね。ありがとうございました！ (2017年12月29日 19時) (
レス) id: e516045fa3 (このIDを非表示/違反報告)
鵯(プロフ) - (´・ω・`)Loveさん» 大丈夫ですよ。ありがとうございます。気長にお待ちくださいませ。 (2017年12月28日 21時) (レス) id: 10532b6a12 (このIDを非表示/違反報告)
(´・ω・`)Love(プロフ) - 鵯のさえずりというページは消されたみたいですけど、リクエストってまだ受け付けてますか？もし大丈夫でしたら飴の出てくるほのぼのとしたお話が読みたいです！……こ、こういうリクエストも平気ですか？ (2017年12月28日 10時) (レス) id: e516045fa3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鵯
| 作成日時：2017年12月20日 18時
