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破壊主義者 ページ20

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昔から俺は道具に過ぎなかった。両親に捨てられ、未認可の児童養護施設に入れられて、死んだ人間を庭に埋めるような人生だった。ちょっと意味がわからないとは思うが、実際にそうなのだからどうすべきかなんて問う必要はない。

ただ、俺は道具だった。単純明快な思想と欲求を持ち合わせた。施設長が観ていたスプラッター映画。次々に人が死に、血飛沫が舞って画面を赤く、紅く、赧く、朱く、明く、緋く、赫く。綺麗に染まっていく。ああ、こうすればいいんだ。

何も知らない俺のたった一つの希望、そして知識。ロクに読み書きもできない俺が初めて希望を見たこと。__そうして俺を道具として嬉々とする奴へのたった一つの復讐。俺は娯楽の中で希望を学んだ。

手始めに煤けた汚い笑みを浮かべた施設長とその妻を殺した。喉笛をナイフでスパッと。映画と同じような綺麗な鮮血。二色の赤が入り混じって生臭くも甘い匂いがする。ベトベトしてヌルヌルしていて不思議な感触だった。ああ、コレが血、なんだ。足元には骸が転がっている。血池が表面張力とやらでいつかみた世界地図を描いている。死ぬ瞬間に見た非日常が魅力的で、殺されると分かって歪んだ顔が滑稽で。縋るようなソレを突き放して絶望に陥れることが快感で堪らない。

__思考、指向、嗜好。

故に、至高。


ああ、愉快だ、痛快だ、悦楽だ。


ぐっしょりと生々しい感触を思い出して幸福に浸る。ああ、最高だ!


俺は気に入らない物は次々に壊し、殺した。

元いた養護施設も、俺を追いかける警官も。幸せそうに囀る小鳥でさえ。

手に入らなかった俺の知らない「幸せ」全てを破壊した。ソレが俺の「幸せ」だったんだ。他人が「幸せ」が「絶望」に変わるのが堪らなく「幸福」だった。

人はそんな俺の思考を美学をガラクタ同然に貶し、軽蔑するだろうが、そんなこと知ったこっちゃあない。破壊することが唯一の生きがいなのだから止めろと言われても無理だ。

狂ってなんかいない。俺は至ってまともだ。死のうと躍起になっている奴よりも人生を謳歌している。人を殺して、全てを壊して。これ以上に単純明快に人生を楽しむ方法があるだろうか?


___いや、ないね!

糖度96% *→←鵯のさえずり


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(´・ω・`)Love(プロフ) - 鵯さん» リクエスト消化してくださりありがとうございます!流石鵯さま、期待以上のお話が読めて嬉しい限りです。良ければまたリクエストさせてくださいね。ありがとうございました! (2017年12月29日 19時) (レス) id: e516045fa3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - (´・ω・`)Loveさん» 大丈夫ですよ。ありがとうございます。気長にお待ちくださいませ。 (2017年12月28日 21時) (レス) id: 10532b6a12 (このIDを非表示/違反報告)
(´・ω・`)Love(プロフ) - 鵯のさえずりというページは消されたみたいですけど、リクエストってまだ受け付けてますか?もし大丈夫でしたら飴の出てくるほのぼのとしたお話が読みたいです!……こ、こういうリクエストも平気ですか? (2017年12月28日 10時) (レス) id: e516045fa3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年12月20日 18時

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