縛愛症候群 ページ15
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暗がりの中で一番安心するのはこの圧迫感ではなかろうかと思う。首回りの体温で温められた生温い感触。これは誰もが知る、首輪だ。私は首輪があることによって自我を保てる。私にとって首輪とはアイデンティティそのものなのだ。プラスチック製のこの赤い首輪は彼がくれた一番最初の贈り物だ。デザインもシンプルで可愛らしい。付属でチャリチャリとなる鎖も勿論お気に入り。彼が私にくれた延命の証。
「ただいま、A」
暗がりの部屋に私以外の命の音が響く。彼は私に駆け寄ると抱きしめた。優しい彼の匂い。ああ。落ち着く。背中をさすられ、「いい子、いい子」と褒められる。彼に口づけを強請れば甘やかすように舌を絡められる。脳が蕩けるような気持ち良さに酔いしれながら彼を見つめる。
「まるで従順な犬みたいだね、可愛いよ」
彼はそう言うと私の首輪に口づけた。首筋にあたる鼻息がくすぐったい。彼はそうして犬にするように顎下を優しく撫でてくる。それが頭を撫でられるのと同じくらい心地よくて目を瞑って堪能してしまう。彼は双眸を歪め、完全に飼い主の顔をしていた。そうして彼女の頭も撫でると彼女は尚も嬉しそうに目を細める。
それは飼い主と犬という主従関係が垣間見える。どちらも人間で元は恋仲同士だったはずなのに。けれど2人の間に不満とかそういった類のものは全く見えない。他の恋人たち、それ以上に愛を伝えあっている。
彼の優しい手つきは好きだけれど、今日はもっと構って欲しい。行儀が悪いのを承知で彼を押し倒し、馬乗りになる。彼は仕方ないというように笑って私の頭をするりと撫でた。
「そんなに寂しかったの？大丈夫。いっぱい甘えていいからね。」
「ごえ、なさ、」
彼は優しく笑うと彼女に続きを促した。彼女は彼のネクタイを緩め、パチパチとボタンを外していく。そうして彼の胸に頭を埋めると嬉しそうに耳を当て、目を瞑る。どうやら心臓の音を聞いているらしい。彼はそんな彼女を愛しく思い、優しく頭を撫で、髪に口づけを落とす。彼女はさらに彼に擦り寄り、精一杯というほど密着し、スリスリと頬擦りをする。幸せそうに弛緩しきった唇はどちらのものか。端から垂れた唾液が首輪に伝う。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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(´・ω・`)Love(プロフ) - 鵯さん» リクエスト消化してくださりありがとうございます！流石鵯さま、期待以上のお話が読めて嬉しい限りです。良ければまたリクエストさせてくださいね。ありがとうございました！ (2017年12月29日 19時) (
レス) id: e516045fa3 (このIDを非表示/違反報告)
鵯(プロフ) - (´・ω・`)Loveさん» 大丈夫ですよ。ありがとうございます。気長にお待ちくださいませ。 (2017年12月28日 21時) (レス) id: 10532b6a12 (このIDを非表示/違反報告)
(´・ω・`)Love(プロフ) - 鵯のさえずりというページは消されたみたいですけど、リクエストってまだ受け付けてますか？もし大丈夫でしたら飴の出てくるほのぼのとしたお話が読みたいです！……こ、こういうリクエストも平気ですか？ (2017年12月28日 10時) (レス) id: e516045fa3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鵯
| 作成日時：2017年12月20日 18時
